会社の若手社員は、いったい何からモチベーションを得ているのか――。民間企業による調査から、その源泉の一つが、上司である可能性が浮かび上がった。仕事の意欲はそれほど高くないと思われがちな若手の「やる気」を高める意外な方法とは。
「打たれ弱い」(37・5%)
「価値観や勤労観が分からない」(34・4%)
「仕事よりプライベートを重視しすぎる」(20・8%)
3月、東京商工会議所が5603社を対象にしたアンケート(427社が回答)で、各社の人事育成担当者は「Z世代の若手を指導する際に困っていること」にこうした項目を挙げた(複数回答可)。Z世代は、おおむね30歳未満を対象にしたという。
Z世代の特徴について、人事育成担当の過半数が「デジタル関連のスキルがある」、3割弱は「効率性を重視した発想ができる」ことを挙げた。
一方、「モチベーションが高い」との回答は、わずか5・9%。仕事への意欲は決して高くないと感じているようだ。
だが、若手社員を対象にした別の調査からは、若手のモチベーションが「上司次第」とも取れる結果が出ている。
三井住友海上火災保険が3月にインターネットで22~34歳の会社員800人を対象にした「挑戦に関する意識調査」によると、3年目以内の若手400人の61・8%が「上司・先輩が挑戦していないとモチベーションが下がる」と感じていた。
67%は「挑戦している上司・先輩と働きたい」とも答え、上司のチャレンジ精神を感じている若手の79・5%は、「仕事を通じて成長できていると思う」と回答していた。
「上司の挑戦と若手の成長実感には強い結びつきがある」。三井住友海上火災保険はアンケート結果をそうひもとき、「部下の成長実感を高めるためには上司が挑戦している姿を見せることが大切だ」と提言している。【木原真希】
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