北海道では山菜取りに出掛けた男性がヒグマに遭遇。襲い掛かってくる様子をカメラが捉えていました。

■目の前からヒグマ“襲撃の瞬間”

 ゴールデンウィークの北海道では、クマによる事故が発生。その時の様子がドライブレコーダーに映っていました。

 車の前方から突然、ヒグマが襲ってきます。ヒグマが現れたのは林道の右側、生い茂る木々の間から。猛スピードで突進。フロントガラスに体当たり。その衝撃でバンパーとワイパーが壊れます。さらにもう一撃。2回目の体当たりでフロントガラスにひびが入ります。

 この時、軽トラックには50代の男性と同乗者一人、合わせて2人が乗っていました。

 ヒグマは口を開けながら前足を振りかざします。映像を止めると、鋭くとがった大きな爪が確認できます。急いで車を発進。しかし、ヒグマが追い掛けてきます。

■GW注意!ヒグマが“体当たり”

 現場は北海道の東部・根室市。幹線道路から林道に入って1キロほどの場所です。

 親子グマに車を襲われた経験があるという大井特任教授は…。

石川県立大学 大井徹特任教授
「こうした激しい攻撃をするのは私も経験があるが、子持ちの母グマで、近くにいた子を守ろうとして攻撃的になった母グマの行動と考えられる」

 映像を確認すると、実は2頭のヒグマが映っていました。この時、右側には襲ってきたヒグマがいます。そしてよく見ると、左側の林の中にも黒い物体が。子グマと見られます。林の奥へ走っていく姿が映っていました。それと同時に母グマとみられるヒグマが車に突進。

大井徹特任教授
「車と母グマの間に子グマがいる状況になったので、母グマが子グマを守ろうとして必死になって体当たりの攻撃をしたと思う」

 時速50キロで走るとも言われるヒグマの体当たり。その衝撃は、平均体重100キロ前後の雌の成獣の場合、車の衝突に匹敵すると交通事故の専門家は警鐘を鳴らします。

交通事故鑑定人 中島博史氏
「体重が成人男性よりもはるかに重い。体当たりは速度にもよるが、軽自動車に衝突された程度の衝撃は起こり得る。車のフロントウィンドーはかなり丈夫で、成人男性が石を持って殴り付けても割れない強度がある。人間よりも筋力も骨格も強いために相当な衝撃があったと思う」

 幸い車に乗っていた2人にけがはなかったといいます。

■GWにクマと遭遇 対処法は?

 根室市では今月、ヒグマの目撃情報が相次いでいます。観光地・風蓮湖の湖畔にある道の駅でもヒグマが目撃されています。施設からは湖に生息する野生動物を観察できるため、ゴールデンウィーク真っ只中の29日、多くの観光客が訪れていました。

 ところが連休初日の27日、ヒグマが出没します。道の駅の職員が撮影しました。3月と4月ですでに目撃は8回。去年、同時期の3回を大きく上回っています。

道の駅スワン44ねむろ 島野治人専務
「相当な頻度で出没している。この道の駅から500メートルから1キロくらいの間で目撃している」

 駐車場からつながる遊歩道はヒグマが出没したため、立ち入り禁止に。

島野治人専務
「旅行者と突然、出くわすとびっくりしてクマも襲ってくる。内心、危惧している」

 風蓮湖では、これまでも湖を泳いで渡るヒグマが度々、目撃されています。

 思わぬ場所でクマと遭遇してしまった場合、どうすればいいのでしょうか。

大井徹特任教授
「クマの様子を見ながらゆっくりと後ずさりをしてクマから離れていく。絶対に走って逃げてはいけない。万が一攻撃された場合は、致命傷にもなりやすい頭、顔、首筋、おなかを守る姿勢を取る」

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