大阪府岸和田市の永野耕平市長は2日、性的関係を強いたとして府内の女性から損害賠償訴訟を大阪地裁に起こされ和解した問題について記者会見に応じ、「内容は答えられない」との主張を繰り返し、「裁判に発展したこと以外に責任は特に思いあたらない」と述べた。この問題を巡って、市役所に電話やメールで135件の意見が寄せられ、大半は永野氏を批判する内容だった。
11月14日付で成立した和解調書によると、「性的関係を持つのは自制すべきだったとの非難を免れない」と指摘し、永野氏が女性に謝罪して解決金500万円を支払う内容で合意した。
この日、市役所であった会見で、永野氏は「裁判は終結した。プライバシーに関わるので話すべきでない」として、和解の内容を説明しなかった。「非はない」とのこれまでの主張に関し、「損害賠償請求はないとされている。最低限、自分が悪くなかったことは伝えたい」と補足した。そのうえで「裁判になったことは責任があり、世間を騒がせて大変申し訳ない」と話した。
永野氏は、所属する大阪維新の会が設置した綱紀委員会で事情を聴かれる予定で、「説明は記者会見で述べた範囲になる。維新の会の判断に身を委ねる」と語った。
この問題が明らかになった同28日以降、市役所へのメールが37件、電話が98件あった。電話の3、4割は女性だったという。
市議会は3日に全員協議会を開き、永野氏に対し説明を求める。
女性は強制性交等容疑で府警に被害届を提出したが、不起訴処分とされたことから、22年6月に民事裁判を起こしていた。永野氏は訴訟で性的関係について「同意があった」と主張し、請求棄却を求めていたという。【中村宰和、藤河匠】
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