3年前、那覇市に移住した鈴木新一さん(66)は4時間18分で完走し、11月10日の福岡、17日の神戸、23日の福知山(京都)に続く、4週連続のフルマラソン完走を果たした。3・5キロ地点のひめゆり通りで転倒し「力が入らなかった」と振り返ったが、亡き娘を思って走り抜いたという。

 マラソンを始めたきっかけは元気に生まれてくるはずだった娘の死だった。フルマラソンへの初挑戦が1997年のNAHAマラソン。それから「走っていると、娘が生きていると思うことができる」と28年間走り続けてきた。

 転倒し、疲労でたまっていた腰の痛みも増したが、神戸マラソンの際に訪れた阪神大震災の犠牲者を追悼する石碑「1・17希望の灯り」に刻まれた言葉を思い出した。「奪われた すべてのいのちと 生き残った わたしたちの思いを むすびつなぐ」。「命をつなぐ」との思いを強くし、ゴールを目指した。

 今回でフルマラソンの完走は223回となる。70歳になるまで250回完走を目標に設定していたが、「ペースが速くなってきた。2年後の68歳で達成できそうだ」と笑顔を見せた。(社会部・吉田伸)

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