東京で今季初の「乾燥注意報」が出される中、30日も各地で火災が相次ぎました。番組では、空気の乾燥が思わぬ被害をもたらす現場を取材。見えてきた“盲点”とは。（11月30日OAサタデーステーション）

■日本海側で断続的な雨と雪　東京は今季初「乾燥注意報」

30日の北海道・旭川市は銀世界が広がっていました。信号機には、つららが出来ていて横断歩道を渡る際に押すボタンの上には大量の雪が積もっていました。旭川では、28cmの積雪を観測。朝から雪かきをする人もいました。

雪かきをする男性
「飲食店をやっているんですけど他の駐車場も（雪かきを）やらなければいけないので大変ですね」

岐阜県・飛騨市でも、最低気温が氷点下まで冷え込み、29日から30日にかけて今シーズン初めて雪が降り積雪が10cmを超えました。日本列島は、冬型の気圧配置が続き、日本海側で雨や雪が続く一方、太平洋側の関東などは晴れて空気が乾燥。

■列島各地で火災　焼け跡から遺体も

30日も各地で火災が相次ぎました。島根県出雲市にある木造2階建ての住宅が全焼する火事がありました。およそ3時間後に消し止められましたが住民とみられる3人の遺体が見つかりました。

近隣住民
「風は結構強くなっていたので、どんどん燃え広がっているという感じでだいぶ火の勢いが強かったですね」

30日、東京では今季初となる「乾燥注意報」が発表されました。空気が乾燥すると、建物の木に含まれる水分量が減り、火が燃え広がりやすく、今週だけでも列島の広い範囲で火災が起きています。

■冬の花火大会　引火を防ぐ入念な対策

私たちは、まさに乾燥に警戒している場所へ。29日から2日連続で「乾燥注意報」が出ている神奈川県・寒川町。

報告・仁科健吾アナウンサー（30日　神奈川・寒川町）
「冬の夜空に綺麗な花火が打ち上がりました」

冬の時期に開催された花火大会。連発で打ち上がるスターマインが夜空を彩ります。

花火を見に来た人
「楽しかった、きれいだった、最後がめっちゃキレイだった」
「1日の疲れが取れますね」
「空気が澄んでいるので綺麗に見れますよね」

この時期に開催する花火大会は空気の乾燥に大きな注意が必要です。

寒川みんなの花火大会　実行委員会　織田敦さん
「（花火を打ち上げる場所は）やっぱり周りに枯れ草とかありますので、すぐ着火しないように辺りの周辺に水を撒いていただいてという形をとったりしますね」

花火から出た火の粉が付近の草木や枯葉などに引火する恐れがあるため、ポンプ車で念入りに水を撒いていました。さらに、空気が乾燥している今の時期は静電気が発生しやすく、それが原因で花火に引火する恐れもあるため、こんな対策も…

報告・仁科健吾アナウンサー（30日　神奈川・寒川町）
「静電気が発生しないように手袋をつけての作業が行われています」

花火を運ぶときは、ゴム製の手袋をつけて、静電気を起こしにくいステンレス製の筒に入れて打ち上げるといいます。

寒川みんなの花火大会　実行委員会　織田敦さん
「（火災）そのリスクをいかに僕ら大人が回避して入念に準備をして、それによって楽しんでもらえる
子供たちとか、 そういったものを作り上げていくことの方が大事なんじゃないかなと」

■給油時に思わぬ被害　盲点は？

日常的に利用する場所の中でも、特に静電気に注意が必要なのが、ガソリンスタンドです。

シンエネ八幡山SS　佐藤大所長
「危険物を給油しているということを忘れないで欲しい」

7月に広島県内のガソリンスタンドで発生した火災は、荷台の容器に給油している際に、静電気が発生し、気化したガソリンに引火したとみられています。そもそも、利用客が自ら容器にガソリンを詰め替える行為は、消防法で禁じられています。
消防庁によると、ガソリンスタンドでの火災は、去年だけで39件発生。そのうちの14件は、静電気が原因でした。東京消防庁は、静電気の火花でガソリンが燃え上がる実験映像を公開。給油前に必ず静電気除去シートに触れるよう、呼びかけています。

また、東京消防庁によると、ついやってしまいがちな2つの行為にも、危険が潜んでいると言います。
まず1つ目は、給油口にノズルをコンコン当てる行為。金属同士がぶつかることで、火花や静電気が生じる恐れがあるため、避けた方が良いと言います。

ガソリンスタンドの利用客
「え、それいつもやってます　ダメなんですか？」
「カンカンカンカンカンっと。せこい話ですけど。今後は震わせないようにはしようかなと」

そして、もう一つ注意が必要なのが、手袋です。材質によっては静電気が生じる可能性があるため、こちらも避けた方が良いと言います。

シンエネ八幡山SS　佐藤大所長
Qもし引火したら？
「スタッフがいない場合は、呼び出しボタンをすぐ押していただきたい」

▶テレ朝天気

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