日本最大の労働組合の全国中央組織「連合」(芳野友子会長)は28日、千葉県浦安市で中央委員会を開き、2025年春闘方針を決めた。方針では、5%を超える賃上げを獲得した24年春闘を上回る賃上げを目指し、ストライキも辞さない構えを示した。
春闘方針では、賃上げ要求を定期昇給分を含めた5%以上、企業規模間の格差を是正するため中小企業では6%以上とした。春闘を進める戦術について、「労使の話し合いを積み重ねた上で回答を引き出す」とした上で、「回答が受け入れがたい場合の対応などを含め必要な戦術設定の準備を進める」と記した。
労働運動関係者の間では、「必要な戦術設定」はストを意味する。従来は「労働基本権にこだわる闘争の展開」と記載されているだけで、ストの準備などには触れない方針だった。
芳野会長は「ストをするかどうかは各組合の判断だが、引き続き賃上げを獲得するため戦術を強めるということだ」と説明。連合幹部も「大企業ならすんなりと賃上げができるケースもあるが、中小が大きく取るにはストは選択肢の一つだ」と明かす。
世界の労働運動では物価高が続く中で、全米自動車労組(UAW)などが強力なストを行い大幅な賃上げを勝ち取る事例が増えている。国内でも他の労組の全国組織の全労連が3年前から春闘でのストライキ戦術の強化を掲げている。
その他にも方針では、非正規労働者を含めた賃金の底上げや、中高年層も含めた賃上げ原資の公正な分配を求めたいとしている。【東海林智】
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