岐阜県での風力発電事業を巡り、県警が住民4人の個人情報を収集したのは違法だとし、情報の抹消を命じた名古屋高裁判決が確定したのを受け、県警は26日、4人の個人情報などが記載された文書49件を抹消したことを明らかにした。
抹消履行の確認を求める住民らの申し入れを受け、県警と原告住民の協議の場が設けられ、県警側が口頭で回答した。
10月の高裁判決は、県警が上告を断念したため確定した。県警は上告断念の際、「情報は県公安委員長の立ち会いのもと、適切に抹消した」と説明したが、住民らは申し入れ書で、抹消すべき情報の特定方法や抹消の手順・方法などを明らかにするよう求めていた。
原告住民と県警が協議するのは2016年の提訴後初めてで、この日は県警警備総務課長や監察課次席らが出席。それによると9月20~30日に、県警本部と各警察署に保管されている中から対象となる文書を精査し、個人情報が記載されている49件を特定。すべて紙媒体の文書で、10月1日に裁断処理したという。
県警の回答を受け住民らは記者会見し、山田秀樹弁護団長は「情報特定作業がどう行われたのか、抹消した49件以外に対象文書はないのかなど、疑問がより深まった。さらに質問や協議を続けていきたい」と述べた。県警の洞口幸男警備総務課長は「判決は重く受け止めている。申し入れがあれば協議に応じる」としている。【稲垣洋介】
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