スギ薬局=村田由紀子撮影

 ドラッグストアのスギ薬局で調剤された薬を服用した東京都内の女性(当時74歳)が死亡したのは調剤ミスが原因だとして、遺族がスギ薬局側に約4000万円の損害賠償を求めた訴訟は22日、東京地裁(堀田次郎裁判長)で和解が成立した。スギ薬局側が遺族に同額を支払い、謝罪する内容。

 訴状によると、女性は2021年11月、スギ薬局から処方された薬の服用後に意識不明となり、低血糖脳症で搬送され、約5カ月後に死亡した。薬の小分け包装の際に、女性の持病と関係ない血糖値を下げる薬が混ざっていたとされる。

 遺族側の代理人弁護士によると、和解条項には、女性が調剤過誤によって意識不明となり、会話ができないまま亡くなったことについて、法人としてのスギ薬局と、処方に関わった薬剤師ら3人が深く謝罪することが盛り込まれた。

 条項にはないものの、スギ薬局親会社のスギホールディングスの榊原栄一会長も遺族に直接謝罪する意向だという。

 女性の長男は和解成立後に記者会見し、「スギ薬局には重く受け止め、反省してもらいたい」と話した。スギホールディングスは「再発防止を徹底する」とコメントした。【菅野蘭】

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