大分県警は11月から警察官による警察犬の育成を始めた。これまでは民間の指導士が育てた警察犬を嘱託という形式で使っていたが、指導士の現場への同行が必要なことや、担い手不足などの事情から2頭を導入。飼育用の犬舎も大分市内に整備し、育成環境を整えた。【山口泰輝】
県警は、犬の優れた嗅覚を容疑者の追跡や行方不明者の捜索などに活用しようと、民間で育成された嘱託警察犬を1959年から運用してきた。現在、嘱託犬は19頭が登録され、協力する指導士も10人いるが、高齢化が進んでいるという。
一方、警察犬の出動は、今年1~10月で77件と増加傾向にあるが、嘱託犬の出動には指導士の同行が必要なため、深夜帯や凶悪犯罪などの場合は出動できないこともあり、柔軟な運用が課題になっていた。
このため、ジャーマンシェパードの雌、アロー号と、ラブラドルレトリバーの雄、ロッキー号を直轄警察犬として導入。いずれもまだ1歳と幼いことから、現在は県警察学校の敷地内で人の匂いから足跡をたどる訓練や、火薬の匂いから爆発物を探す訓練などを続けている。
18日には、大分市の鑑識科学センター敷地内に完成した犬舎(58平方メートル)の開所式があり、式後には担当警察官が2頭を訓練する様子が公開された。2頭は今後、成長具合に応じて現場に出動するという。
アロー号を担当する鑑識課の三重野剛是巡査長(39)は「これまでは警察犬の訓練に従事しておらず不安があったが、アロー号と遊びながら絆を深めている。直轄も嘱託も警察犬が活躍できる場が広がればよい」と話した。
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