政府は22日の閣議で、15日に101歳で亡くなられた三笠宮妃百合子さまの葬儀費用として、2024年度の国の予備費から約3億2000万円の支出を決めた。葬儀は三笠宮家の私的な行事で神道形式で営まれる。国費を充てる理由を宮内庁は「国民からの弔意や敬意の対象となる儀式で公的性格がある」と説明している。
費用の大半は、本葬の儀にあたる26日の「斂葬(れんそう)の儀」が営まれる豊島岡墓地(東京都文京区)での設備費や整備費。参列者が入る仮設建物の設置や参道の補修などが含まれる。百合子さまは、三笠宮さまの死去(16年)で建てられた墓所に埋葬されるため、新たな墓所建設費は必要ないが、物価高や人件費高騰の影響で三笠宮さまの葬儀費用総額より約5900万円増えた。
神道形式の一連の葬儀は、国家公務員の宮内庁職員が運営を手伝う。政教分離の観点から国費支出の妥当性について、宮内庁の黒田武一郎次長は18日の定例記者会見で「国家的、国民的な弔いの対象になるため公的な性格があり、皇室を支えることは宮内庁職員の職務であるため、問題は生じないというのが戦後一貫した考え方」と説明した。【山田奈緒】
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