まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」を考えてもらおうと、九州大の学生が企画したイベントが27日、福岡市博多区で開かれた。小学生ら6人が参加し、売り物にならない野菜を使った体験型ワークショップを通じて食の未来を考えた。
九州大共創学部2年の鮓本萌花さん(19)と篠田実希さん(19)が初めて企画。JR九州グループの農業生産法人・JR九州ファームなどから提供された、形がいびつなために廃棄される「規格外品」の野菜をスタンプに加工。これにインクを付けて押し、カラフルなエコバッグを完成させた。
その後、鮓本さんと篠田さんが飲食店や家庭での食べ残しや小売店の売れ残りがどのように発生するかを解説。子どもたちは「できるだけ食べ残しをしない」「家で捨てる野菜をなくす方法を家族に伝えたい」などと感想を述べていた。
政府が発表した2021年度の食品ロスの推計値は523万トン。国民1人当たりに換算すると、年間約42キロの食べ物を捨てたことになる。約半分は家庭から出たもので、個人を含め、社会全体で食品ロスを削減する取り組みが求められている。
参加した小学4年の杉村玄太さん(9)=同区=は「環境問題を知るだけじゃなくて行動に移したいと思った」と話した。
イベントは28日も、JR博多シティ内で子どもが自ら学ぶ創造活動の支援施設「VIVISTOP HAKATA」で開かれる。【竹林静】
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