オルゴール堂ホールディングスに対して裁判を起こした原告の男性(右)=京都市中京区で2024年11月20日午後2時15分、日高沙妃撮影

 社内規定に沿って育児のために業務の制限を申し出たのに対し、転籍・降格させられたのは違法で「パタニティーハラスメント(パタハラ)」だとして、オルゴール専門店に勤務する京都市の30代男性が20日、店を運営する「オルゴール堂ホールディングス」(北海道小樽市)に地位確認や慰謝料を求める訴えを京都地裁に起こした。

 訴状によると、男性は同社社員として勤務していた2022年12月、育児のために宿泊を伴う出張を制限する目的で、社内規則に基づいて深夜業の制限を申し出た。その後、上司から電話で降格処分を言い渡された。ハラスメント窓口の上司には「事前に根回ししていないのがよくない」などと言われ、社長からは「育児したいのなら退職すればいい」と非難を受けたという。

 関係部署に混乱を引き起こしたとの始末書の提出や、「書かなければ退職になる」と言われ子会社への転籍の同意書に署名押印をさせられた。男性は精神的疾患を発症し、23年4月から約1年休業した。

 男性は「とてもつらい経験で、どう対抗してよいか分からず苦しんだ1年半だった」と話した。オルゴール堂ホールディングスは「訴状が届いていないため回答は差し控える」としている。【日高沙妃】

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