煙を上げる海上自衛隊の掃海艇「うくしま」(手前)に放水する海上保安庁の巡視艇=福岡県宗像市沖で2024年11月10日午後4時24分、本社ヘリから上入来尚撮影

 福岡県宗像市沖で海上自衛隊の掃海艇「うくしま」で火災が起き、沈没した事故で、海自は19日、船体引き揚げに向けてサルベージ船を保有する民間会社が調査を行ったと明らかにした。引き揚げの可否や方法については、今月中にも会社側から説明を受け、最終判断するとしている。

 海自によると、調査は「オフショアエンジニアリング」(東京都)に委託。12日に随意契約し、費用は約1億2000万円。調査は16、17両日、水中無人機を使うなどして行われた。

 海自トップの斎藤聡海上幕僚長は19日の定例記者会見で、うくしまは沈没するまで燃え続けていたことから「引き揚げる途中、もろくなった部分から崩れ落ちる可能性もあり、非常に慎重な判断が必要になる」との認識を示した。

 火災は10日午前9時40分ごろに発生。海自隊員らが消火活動し、午後2時ごろに鎮火したと判断したが、再び燃え上がり、11日午前8時35分ごろ沈没した。出火元のエンジンルームにいたとみられる古賀辰徳3等海曹(33)が行方不明になっており、海自や海上保安庁などによる捜索が続いている。【松浦吉剛】

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