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 企業や商品の“キャンペーンガール”について、繊維大手の「東レ」が2024年いっぱいで起用を終了すると発表した。1981年に水着用素材の拡販を目的に誕生したが、このたび「グローバルでのコーポレートブランディング強化」「加速する社会・環境の変化に合わせたコミュニケーション戦略を推進していく」として、「検討を重ねた結果、一定の役割を果たしたと判断」した。

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 ジェンダー平等やルッキズムの否定が広がるなか、東レだけでなく、多くの企業がキャンペーンガールを取りやめつつある。一方で、男性向けアパレル「Bodix(ボディックス)」のように、キャンペーンに女性を起用する企業も。『ABEMA Prime』では、キャンペーンガールとフェミニズムについて考えた。

■イメージガールにミスコンも…次々なくなるビジュアル推し

 東レの歴代キャンペーンガールには、山口智子(1986年)、杉本彩(1987年)、藤原紀香(1993年)、尾形沙耶香(2005年)らがいる。また、2006年には初代「キャンペーンボーイ」として、鈴木亮平が起用された。

 イメージガールやミスコンは近年続々と廃止され、「世界美しいランキング」に対し女性俳優から批判の声も出ている。サッポロビール(武田久美子、井上晴美など)、アサヒビール(伊東美咲、井川遥など)といった4大ビールメーカーはイメージガールを廃止した。F1界は2018年にグリッドガールを廃止し、上智大学、東京女子大学、専修大などで「ミス・ミスターコンテスト」も続々廃止されている。

 Bodixは、Tシャツやボクサーパンツなど、男性用ボディウェアコレクションを販売している。販促として、「BBGirls」(=「Bodix」イメージモデル)と名付けたレースクイーンを起用。イベントをきっかけに認知・売上もアップして、一般的な広告を打つよりもSNSで需要・反響があり、手ごたえを感じているそうだ。

 キャンペーンガールを起用した理由は、「とにかく興味を持ってもらいたい」ためだ。元々認知度がなく、ファンマーケティングの一環として始めて、「彼女たちによる通販効果は大きい」と語る。また、“他と違うこと”による露出も必要と指摘する。「普通にやっていたら、お金持ちのチームの中で目立たない」として、イベントごとに規制の範囲内で活動しているという。

 Bodixを運営する後藤一郎氏は、「男女平等を踏まえても、特性を生かせる場所がある。女性らしさで企業PRして欲しい」との理由から起用した。効果は「1年目はさっぱりだったが、2年目からイベント出展などで、一定の販売数に行くようになった」と説明する。

 BBGirlsであり、アイドルやレースクイーンとしても活動する藤田芽愛(めい)は、「自分がやりたいと思って、衣装を着ることは、別にふしだらなことではない。スタイルが良く見えて、足も長く見える。自分の意思で気に入ってやっている」と考えている。

 後藤氏は「ハイレグで日本を元気に」をモットーにしている。「特に若い男性は元気がない。サーキットやイベント会場で、生身の人間と心でつながってもらう。すぐに売り上げにはつながらないが、信用を重ねてブランド力を高めたい」とキャンペーンの意図を明かす。なお「タイや中東での評価が高く、日本よりいい金額を提示してくれる」という。

■1周して時代遅れ?過度なルッキズム・フェニズムに警戒心

 アクティビスト個人投資家の田端信太郎氏は、「ジェンダーやルッキズムが問題視されるなか、東レは『意識が高い大企業だからちゃんとやる』のだろうが、正直もう周回遅れだ」と評する。「2015〜2020年くらいにかけて、『ダイバーシティがないと』と、太めの体形のプラスサイズモデルが登場した。しかし結局、誰も服を買わずに絶滅した。東レも5年か10年後には、またしれっとキャンペーンガールを復活させるだろう」。

 ギャルタレントのあおちゃんぺは、販促に加えて、「女性雇用の機会」の側面を語る。「解決策は『女性の体を見せないようにする』ではなく、『男性と同じ権利を女性も得られる』ことだ。同じ上半身裸の雑誌表紙でも、男性モデルは『かっこいい』、女性モデルは『下品』となるのはおかしい。やりたい人は強みを使え、やりたくない人はやらなくていいのが、健全な社会ではないか」。

 作家でジャーナリストの佐々木俊尚氏は、あおちゃんぺの指摘を「古典的なフェミニズムだ」と指摘する。「1960〜70年代のフェミニズムでは、『女性は体を隠す』という保守的な男性に対して、女性は『自分の美しさを自由に使っていい』となり、ミニスカートが象徴になった」。

 しかし半世紀が経ち、「フェミニズムが宗教保守に近づいている」と言われているそうだ。「1950年代に日本でポルノ雑誌の撲滅運動をやった、キリスト教系の右派団体“矯風会”と一緒になっている。『女性は体を隠せ』『性を商品化するな』といった所が、フェミニズムの中心になったことで、おかしな状況になっている」と解説する。

 その上で、「マーケティング的な視点と、女性の主体性はわけて考える必要がある」と語る。「売り上げは企業の話で、他者がとやかく言う話ではない。一方で、女性が『商品として見て欲しい』と言うときに、他者が批判するのは単なる抑圧にしか過ぎない。女性の主体性が失われすぎて、キャンペーンガールの否定につながるのはどうなのか」。
(『ABEMA Prime』より)

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