もし自分が亡くなったら、パートナーに見られたくないものはあるだろうか。Xでは先月、「亡くなってから知る夫の裏の顔。涙は止まり怒りが湧いています」という、夫の死後に発覚した秘密に怒りを覚える妻の投稿が話題となった。
【映像】夫の死後、借金、横領、風俗通いを知ったペンギンさん(40代)
この投稿には共感の声が多く、「夫の古い携帯電話に、別の女性への『生まれ変わったら一緒になろう』というメールが残っていた」「夫のスマホから異性とのデート写真が見つかった」「葬儀の際、知らない人から夫との“思い出写真集”が届いた」といった体験談も寄せられている。
2年前に夫を突然失ったペンギンさん(40代)も死後に秘密が発覚し、「夫婦として本当のことを言い合えない関係だったことにショックを受けた」と語る。亡くなったパートナーの秘密を知ったとき、どう向き合うべきなのか。そしてその秘密は、どこまでなら許せるのか、『ABEMA Prime』で当事者と共に考えた。
■借金、横領、風俗通い…パートナー死後に発覚した秘密
ペンギンさんの夫は2022年に突然亡くなった。死後数日経ち、消費者金融からの通知や督促状が届き、約400万円の借金が判明。さらに、夫の勤務先の取締役から電話があり「奥様にお話ししたい大切なことがあるからお宅に伺いたい」と言われ、夫が勤務先から約1200万円相当の横領をしていたことを知らされた。
また、「風俗嬢から営業LINEが大量に来ていた」ことで、結婚前から続いていた風俗通いも発覚した。「夫がもう行くことはないので、他のお客さんのためにそのエネルギーを使ってほしいと思い、風俗嬢に返信をした」という。
借金については、相続放棄せず死亡保険金で返済した。「自宅と複数の飼い猫がいたため、3カ月以内にどうするか決めねばならず、猫も手放す覚悟で身内と話し合った結果」だったと振り返る。特にショックだったのは金銭関係で、「横領はやってはいけないことで、多額の借金が残っていたことが悲しい。それ以上に夫婦間で絆が築けていなかったことに気づかされた」と語った。
■亡くなったパートナーの秘密どう発覚?
亡くなったパートナーの秘密は、どのように発覚するのか。「未払い請求などがないかスマホを確認中に、不倫の証拠となる画像が発覚」「配偶者が亡くなったことを誰に知らせればいいのかSNSをチェック中に女性とのやりとりを発見」「亡くなった夫の戸籍謄本から隠し子の存在が発覚」「通帳を確認中、知らない異性に金を振り込んでいた」などのパターンがある。
これまで4万件以上の相談を受けてきた夫婦問題研究家の岡野あつこ氏は、「死後に秘密が発覚して、今まで仲が良かったと思っていたのに、ガラガラと崩れることは結構ある」と語る。「貯金通帳の整理で、消費者金融からの借金や、愛人の存在がわかる場合もある」と具体例を挙げた。
遺品で知るケースもあるが、「友達から『今まで黙ってたんだけど』と言われることもある。親切心で黙っていられず言ってくる。正義感なのだろうが、そういう人も多い」そうだ。
作家の乙武洋匡氏は、ペンギンさんの話を聞いて、「隠し事なく話し合える関係だけが、本当の絆なのか」と疑問を投げかける。「大切に思うからこそ、相手に言えないこともある。犯罪に触れていたショックはあるが、だからと言って『絆が築けなかった』とまでは思わなくていいと、お節介ながら思った」。
これにペンギンさんは、「相手を思って隠すこともあるが、ある程度の見通しがつくのでは」と返す。「返済計画が追いつかず、相手に影響してしまう。どこかでバレる場合には、打ち明けてほしい。結婚前からの借金だったので、打ち明ける選択肢を持ってほしかった。ケンカになったとしても、ともに旅する仲間でありたかった」と心中を明かした。
■デジタル遺品の生前整理
デジタル遺品の生前整理としては、「アカウントやデータの所在などをエンディングノートに書き残す」「見られたくないデータにはパスワードをかける」「写真や動画は定期的に削除」「第三者(弁護士・司法書士・民間業者)と死後事務委任契約を結び処分をお願いする」「SNSの追悼アカウントの設定(Facebook・Instagram)生前に管理人を指定」などが挙げられる。
深澤諭史弁護士によると、スマホやPCのパスワードを開けて見ることは法律上問題ない。ただし、故人が契約していた外部のオンラインサービスにログインすると不正アクセス禁止法違反になる可能性があるとのこと。
ペンギンさんの夫は、スマホのパスワードをエンディングノートに記していた。「連絡先や銀行口座、暗証番号を書いて、相手が困らないようにした。同級生の母親が亡くなって、情報を探して、手続きをこなすのが大変だったと聞いてから、1冊にまとめた」という。しかし「生前にスマホを見たことは一度もなく、見ようと思ったこともない」そうだ。
では、もし生前に秘密を知っていたら、どうしていたか。「結婚前なら、結婚期間中ならと色々考えたが、その場になってみないと結局わからない」。しかし一方で「『なんで』と理由を聞いたり、『今後どうする気か』と意思を聞いたりするだろう。そこでごまかすなど適当な返事ならば、ちょっと悩んでしまう」とも語る。
岡野氏は「亡くなった人を悪く思うことは、自分の中でも嫌だと思う。折り合いを付けて、いい所だけを思い出す。『故人の代わりに全部始末した。私たち夫婦はこれで良かった』と思うしかない」と、ペンギンさんにエールを送った。
(『ABEMA Prime』より)
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