悪質な運転を処罰する「危険運転致死傷罪」を適用する条件の見直しを議論する法務省の検討会は、速度やアルコールの測定値について基準を設けることが考えられるとする報告書案を提示しました。

 法務省では2月以降、「危険運転致死傷罪」の適用条件などについて見直しを議論する有識者らによる検討会が開かれていて、13日の検討会では報告書案が示されました。

 提示された案によりますと、高速度運転については「一定の速度以上の走行を一律に対象とすることが考えられる」としています。

 極めて危険性の高い高速度運転であっても進路を逸脱していない場合には「危険運転致死傷罪」が適用されない場合があり、委員からは「新たな類型を設けたうえで、数値基準を設定しその速度以上を一律に対象とすることが考えられる」などの意見が出されました。

 また、飲酒運転については「アルコールの数値基準を定めることが考えられる」としています。

 要件を明確化して適切な運用を確保することが目的で、委員からは「一定の数値以上のアルコールが体にある状態での走行を一律に処罰対象とすることを検討すべき」との意見が出されたということです。

 一方で、「危険運転致死傷罪」と「過失運転致死傷罪」の中間的な犯罪類型を設けることについては慎重な意見が多く、上限が懲役20年となっている「危険運転致死傷罪」の法定刑の引き上げについても、慎重な検討が必要であるとしています。

 検討会ではこれまで被害者遺族などからもヒアリングを実施し、有識者による話し合いが続けられてきました。

 検討会は今後、最終的な報告書を取りまとめる予定です。

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