全国各地で相次ぐ、いわゆる“闇バイト”事件で、暴力団の組織的な関与が疑われています。
12日午前11時ごろ、熊本県警の捜査員35人が、福岡県久留米市にある指定暴力団・道仁会の本部事務所を家宅捜索しました。
この記事の写真この家宅捜索は、道仁会系組幹部・西村達哉容疑者(27)の逮捕がきっかけです。労働者の募集などを定めた職業安定法に違反した疑いが持たれています。
今月1日、熊本市に住む10代の姉弟が逮捕されました。2人は、SNSに「短期間で高収入。やりたい人いたら連絡下さい」などと投稿して、詐欺の受け子や出し子を募集していたとみられます。この姉弟を調べる過程で、西村容疑者の存在が浮上しました。
警察は、西村容疑者が、勧誘のリーダー的な役割で、道仁会の組織的な関与があったとみて調べを進めています。
“好戦的”“反権力”といった言葉がつきまとう武闘派の道仁会。福岡県に本拠地を置く指定暴力団は5つありますが、去年末、ついに工藤会を抜いて最大勢力となりました。
福岡県警で暴力団対策部長を務めていた尾上芳信氏が注目したのは、27歳という西村容疑者の年齢です。
元福岡県警暴力団対策部長・尾上芳信氏「恐らく3次団体、4次団体の末端の組の1幹部という立ち位置。リクルーター役または末端の指示役か。(Qということは、まだ上がいる)道仁会のなかで、上の人間が首謀者にいる可能性が十分にあるのでは。匿名流動型犯罪グループ自体にすべてを仕切らせて、最終的な“しのぎ”だけを暴力団が吸い上げる。こういったケースもあるのではないか。(Q.暴力団に詐欺や強盗の資金が行き着くケースが多い)私は、そのように見ている」
闇バイトとの関連が疑われる情報が求人サイトにまで掲載されている現状に、福岡厚生労働大臣は、こう述べました。
福岡厚生労働大臣「掲載前にチェックして下さいと申し上げているが、仮に漏れた場合も、その後もチェックをすることを徹底していただく」
雇用を仲介する業者が、違法な求人情報を見つけた場合は、警察や労働局への通報を求めています。
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