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 田んぼの上を舞うドローン。これは、農業の効率化を図るために作られた農業用ドローンだ。

【映像】すごい! ドローンによる梨の人工受粉

「新しい機器を使って作業効率を上げ、若い人が従事しやすい環境を作ることを目指している」(株式会社アグリシップ 佐藤広幸さん)

 20年以上前から兼業農家として農業に携わってきた佐藤さんは、2016年に株式会社アグリシップを設立。現在は従業員2人と共に米や梨の栽培を行っている。

「普通の企業と比べて収入の面で農業は厳しい。しかし株式会社の農業法人を立ち上げることで、従業員には厚生年金や労災保険など、普通の会社と同じ待遇を保証できる。若い人が入りやすい環境を作りたかった」

 近年、成り手不足に悩む日本の農業。アグリシップでは土日休みの週休二日制を導入するなど、若い世代が働きやすい環境作りを行っている。

 カギとなったのはドローンなどによる農業の“スマート化”だ。例えば梨の受粉も通常は一つずつ手作業で何時間もかかるがドローンを使えば数分で終わるという。

 機器の活用により、広大な敷地の作業を少人数かつ短時間で終えられるようになり、労働時間の削減を実現。また春には、ドローンを使って田んぼに直接種を撒く直播栽培を行い、米作りの省力化にも取り組んでいる。

 アグリシップで働く小越智央さんは 「ドローンを使うなんて他の同年代の仲間に聞いても全然早い。一日かけてやる作業がうちは10分〜15分で終わる。若い人たちも新しい技術に興味を持っている」と話す。

 今後は儲ける仕組み作りを行いたいという佐藤さんは持続可能な農業の確立を目指している。

「最近は温暖化で思うようにいかない。自然が相手なので、作業の見極めには経験も必要だ。先進農業だけでは解決しないので、経験とデジタルの融合が必要」

??“スマート農業”の課題は?

「週休2日」など、働きやすい環境の実現も可能でありメリットが多い“スマート農業”。課題はあるのか?

 実は“スマート農業”には「機器やシステムの購入費用」「操作を習得する難易度」「効率UPを収入UPにつなげる方法」などのハードルが存在する。

 現状に対し、政府も農業従事者の高齢化や労働力不足に対応するため、10月1日に「スマート農業技術活用促進法」を施行。これは、スマート農業技術の活用や開発の計画を国が認定する制度で、認定を受けた農業者や事業者は金融・税制等の特例措置を受けられる。支援措置としては、日本政策金融公庫の長期低利融資やドローンを飛ばす際の行政手続きを簡素化などがある。

“スマート農業”という希望も見えてきた日本の農業についてThe HEADLINE編集長の石田健氏は「農家、あるいは漁師などを守るという従来の視点だけでは足りない。農業は安全保障や我々の暮らしのインフラなどにも密接に関わっているという前提に立った上で政策を作っていくことが大切だ」と補足した。
(『ABEMAヒルズ』より)


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