東京・町田市の住宅の庭で突如、噴きだした水と気泡。実は、すぐ側で2034年以降に開業予定のリニア中央新幹線のトンネル工事が行われていました。因果関係はあるのでしょうか。
■住宅の庭から噴出
住民から連絡があったのは10月22日のこと。住民が撮影した映像では、水と一緒に地中から気体が湧き出ているのが分かります。
この記事の写真 現場の住民 「水道管がすぐ近くにあるので、水道局に電話し見てもらったが、水道が原因ではないと言われ、いろいろ探してもらったけど原因は分からない。85年いて初めて」さらに、水が湧き出ていた住宅から約300メートル離れた交差点でも、同じような現象が起きていました。これに気付いたリニア町田の会の奥村さんは…。
リニア町田の会 奥村憲雄さん 「(Q.水がふき出たのはいつから)私が7日午後3時ごろに見たが、その時初めて気が付いた。(水道関係者が)塩素は含まれていないということです。これは地下水の可能性もあると」次のページは
■地下でトンネルの掘削中に■地下でトンネルの掘削中に
これらの現象との関連性はまだ不明ですが、現在、東京−品川と名古屋の間で工事が行われている、リニア中央新幹線。東京から山梨、長野、岐阜を経て、名古屋までは全体の約86%がトンネルです。そのうち、東京、神奈川、愛知では、地下40メートル以上の大深度で掘削工事が進んでいます。東京と神奈川の間には掘削機を降ろすことなどに使う、巨大な立坑(たてこう)と呼ばれる穴が9本開けられています。
今回の現場のすぐ側にもこの穴があり、工事区間と水が湧き出た場所を照らし合わせると重なりました。住宅の庭に水と気泡が湧き出た時、掘削の真っ最中だったとみられます。掘削機は、土を削りやすくするために、気泡を出しながら掘るものでした。
JR東海は、住民から連絡があった当日から工事を中断。湧き出ていた水と気泡は、その2日後から止まっているということです。
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■酸素濃度の低い“気体”も■酸素濃度の低い“気体”も
8日に会見を開いた『リニア中央新幹線を考える町田の会』は、出てくる気体を調べたといいます。
リニア町田の会 櫻井朋広共同代表 「24日の朝に行った時は(気体が)まだ盛んに出ている状態だったので、ペットボトルに気体だけを採取した。それが2本分ということです。酸素濃度が1%程度とごくごく酸素濃度の低い気体で、普通の空気じゃないなと」JR東海と工事関係者も現地で調べたといいます。
リニア町田の会 亀山俊平さん 「このブクブクが発生している地上50センチのところに(JR東海らは)測定器を持ってきて測定をした。そうしたら(酸素濃度が)19.7%だった。だからそれはすぐには人体に影響がないだろうということで、住民の人に安心してもらいたいというふうに言われたわけです」リニア中央新幹線については、別の工事現場周辺でも異常が報告されています。岐阜県瑞浪市では、トンネル工事現場の周辺で、井戸などの水位の低下や地盤沈下が確認されています。町田市の現象も、工事との関連についてはまだ分かっていません。
リニア町田の会 亀山俊平さん 「他は出ていることが確認できてないだけで、出る可能性はそれこそトンネル掘ってみないと分からないので、責任ある対応をちゃんとしていただきたいということです」JR東海は、水と気泡の発生原因が分かるまで、工事は中断し、原因究明後に再開するとしています。
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