栃木県那須町の河川敷で夫婦の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された男性の知人2人と夫婦が事件当日の未明、2時間弱にわたり、東京都品川区の空き家で一緒にいたとみられることが捜査関係者への取材で判明した。知人2人が乗っていたセダン型の乗用車から血の付いたハンマーが見つかっており、警視庁と県警の合同捜査本部は、夫婦を暴行する際に使われたとみている。
捜査関係者によると、死亡した会社役員、宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)=東京都千代田区=は16日午前0時ごろ、不動産会社社員の男性が運転するワンボックスカーで空き家付近に到着。同じ時間帯に、セダンが空き家に近づく様子も防犯カメラに映っていた。
防犯カメラの映像などから、セダンは2時間弱、空き家付近に駐車していたとみられる。捜査本部はセダンの2人組が2時間の滞在の間に、血痕の見つかった空き家のガレージで夫婦に暴行を加えた実行役の可能性があるとみている。
セダンは16日午前2時前に空き家付近から走り去っていた。そして午前4時過ぎには、那須町で遺体の発見現場に向かう様子が確認されている。
セダンからは、血の付いたハンマーが見つかった。幸子さんは頭の骨が折れており、捜査本部は事件でこのハンマーが使われたとみて調べている。
セダンは、死体損壊容疑で逮捕された平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)=埼玉県越谷市=の名義だった。平山容疑者は15日夜、知人2人にセダンを引き渡しており「ある人物から遺体の処理を指示され、知人2人に空き家に行くよう頼んだ」と供述しているという。
平山容疑者は17日に品川区内の交番に出頭する前、指示役とみられる人物から求められて、スマートフォンを渡したと説明している。やりとりを隠す狙いがあったとみられる。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】
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