『まことちゃん』や『漂流教室』など、独特の作風で衝撃を与えた漫画家・楳図かずおさんが、先月28日に亡くなっていたことが分かりました。88歳でした。
代表作『漂流教室』で楳図さんが描いたのは懸命に生きる少年たちの愛と勇気です。人類の行く末を警告するかのようにSFの世界を創りあげました。
ただ、お話を伺うと…。
この記事の写真 楳図かずおさん(当時81) 「グワシ!よろしくお願いします」赤と白のボーダーのシャツ姿で、自身のギャグマンガ『まことちゃん』の決めゼリフでお出迎え。これが楳図さんのトレードマークでした。
高校3年生の時に漫画家デビュー。“ホラー漫画の神様”と呼ばれる一方で、ギャグの才能を発揮し、タレントとしても活動するなどマルチな活躍をした楳図さん。その才能を、世界が注目したのはデビューから60年以上経った、81歳の時でした。
楳図かずおさん(当時81) 「フランスって芸術の国なので。芸術という所にポイントをあてて、しっかり世界中に広めてくださる。フランスの方ありがとうございます」2018年に“漫画界のカンヌ”とも呼ばれる、フランスのアングレーム国際漫画祭で、80年代の作品『わたしは真悟』が遺産賞を受賞。産業用ロボットやAIが登場する作品が、30年以上の時を経て「永久に残すべき作品」として評価されました。
楳図かずおさん(当時81) 「AIは愛でなくてはいけないということを言っているかなと。僕はそういうふうになってしまったわけなので、考えていたわけではないので、自分でもびっくりしながら言ってるんですけども。『AIは愛です』と言いたいですね。そうじゃないと、AIが人間の生活を邪魔してしまうとか嫌じゃないですか」この受賞を受け、強く芽生えた創作への思い。おととし『大美術展』と題し、現代アートの作品を集めた展覧会を開催。大型の絵画や、テレビモニターを使ったオブジェ、そして、101枚の連作まで。漫画という表現手法を越えた挑戦を続けていました。
楳図かずおさん(当時85歳) 「本当言いますと『もともと私は芸術家なんです』と言いたいところなんですけど、やっぱり皆さんの認識は漫画というところがありますよね。だけど漫画もそろそろ一歩上に上って、さらに高いところを目指さなければいけないなと。これをそのまま地で行ったら、漫画のてっぺんからアートのてっぺんへ」 一般財団法人UMEZZ 「生前、楳図は自分の作品が世界中の人々に届いてほしい、永遠に読み継がれてほしいと願っていました。また、自分の作品の芸術的価値を信じておりました。その志がこれからも皆様の心に留まり続けることを願っております」楳図さんの葬儀は、すでに関係者のみで執り行われたということです。
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