平山綾拳容疑者

栃木県那須町の河川敷で会社役員の宝島龍太郎さん(55)夫妻の遺体が見つかった事件で、宝島さん夫妻が遺体で見つかる当日に入ったとみられる東京都内の空き家から、血痕が見つかったことが25日、捜査関係者への取材で分かった。

捜査関係者によると、宝島さんと妻の幸子さん(56)は遺体で見つかる前日の15日午後11時ごろから30分ほど、品川区東品川に知人2人とともに滞在。新規出店のための下調べとみられる。

その後、宝島さん夫妻は区内の空き家に16日午前0時ごろに到着したとみられる。この空き家には、死体損壊容疑で逮捕された平山綾拳容疑者(25)から車を乗り継いだ2人組も立ち入り、夫妻と接触した疑いもある。

この家のガレージからは血痕が見つかっており、警視庁・栃木県警合同捜査本部は夫妻がここで暴行を受けた可能性もあるとみて鑑定を急ぐ。

調べに対し平山容疑者は、一連の経緯について、指示役から空き家の住所を伝えられたので2人組に伝えたとの趣旨の説明をしたという。一方、指示役や2人組の身元についてはほとんど話しておらず、捜査本部は慎重に裏付けを進めている。

17日に警視庁管内の交番に出頭し、21日に死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者。暴行や遺体の処理にかかわった可能性のある2人組について、「事件後に連絡は一度も取っていない」と話した直後、「1人とは連絡を取った」と翻すなど、供述は変遷を重ねている。

現時点で平山容疑者と宝島龍太郎さんとの接点は確認されておらず、平山容疑者は「名前は言えない」とする指示役から指示を受けたと説明している。

警視庁・栃木県警合同捜査本部は、平山容疑者名義の黒いセダン型の乗用車を押収。車のトランク内などからは宝島さんの妻、幸子さんの血痕が見つかっている。

平山容疑者は半年ほど前から、埼玉県越谷市のアパートに居住。近くに住む男性は「愛想は悪い感じ。部屋は静かで生活感はなかった」と話した。

捜査本部は、防犯カメラ画像などの客観証拠を集めながら、2人組など事件に関与した疑いのある人物の行方を追っている。

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