沖縄県や名護署、環境省は9月28日から29日未明にかけ、国頭村内の山中で希少生物を狙う密猟者の摘発を目的とした合同パトロールに取り組んだ。森林内の巡回や林道前での検問を実施。密猟と疑われる事案はなかったが、車で通った観光客や住民らに密猟防止を呼びかけ、情報提供を求めた。
9~10月は、国指定天然記念物のヤンバルテナガコガネや希少種のオキナワマルバネクワガタが活動する。いずれも種の保存法で捕獲や譲渡が禁止されている。
検問は、県が10月25日まで夜間の通行止めをする村内の林道入り口で実施。職員らが車両計13台に対して職務質問し、不審物がないか調べたり、林道の通行許可証の有無を確認したりした。
日本最大の甲虫であるヤンバルテナガコガネは、1984年に新種として発表された後、乱獲・密売が多発し、生息域が減少。密猟事案は直近20年間確認されていなかったが、今年1~3月の間に生息木から幼虫がいたフレーク(腐植土)が持ち出される事案が発生。環境省やんばる自然保護官事務所は、密猟の可能性が高いとして、監視カメラを設置するなど対策を強化している。
パトロールを主催した県自然保護課の東盛舞子さんは「密猟防止に向け、環境省、国頭村、警察と連携して引き続き普及啓発に務める」と話した。(北部報道部・比嘉海人)
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