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 横浜家系のラーメン店主によるSNSでの投稿が物議となっている。「今、米残して帰った女子2人見てたらdmください」。当時、この店ではライスが無料で提供されていたが、残した場合は料金が発生するルールで、残す場合には一声かけてほしいと注意喚起されていた。今回の投稿は、無言で帰った人に向けてのもので、このことをきっかけにライスは有料、フォロワーのみ無料になった。

【映像】店内にあるライスに関する張り紙

 ラーメン店側は『ABEMA Prime』の取材に対して「お米や食べ物は当たり前にあるものではない。豊かな時代だからこそ、食品ロスの問題を考えてほしい」とコメント。ところが、この投稿自体には批判の声も殺到した。客であれば食べ残しは許されるのか。店側と客側のコミュニケーションの在り方を含め、番組で議論した。

■注意書きがあっても残したライス「残すなら何か一言を」

 家系ラーメンは、濃いめのスープにライスが合うとして、無料で提供されている店も多い。10日、物議となった投稿をした店では「残したらお代」という注意書きが店内に1枚貼られ、無料ライスは自己申告制。店側としては残すことをその場で教えてくれれば問題なかったという。この一件を受けて、同店では12日からライスが有料化された。

 早稲田大学生の胃袋を満たす、人気の家系ラーメン店「武道家」店主の滝坂滋晃氏も、ある時期まで無料ライスを実施していた。今回、同じ家系ラーメンの店舗で起きた件については「大前提として食べ物を残すのは絶対にいけない。注意勧告がわかりやすいところに貼ってあったのか、ひょっとして気づかないで帰ってしまったパターンも考えられるが、やはり残さないのが一番。無料のライスは自己申告。どういった理由があったかわからないが、残す場合には何か一言を」と、投稿した店主に同調した。

 食品ロスジャーナリストの井出留美氏も、今回のケースは客側の配慮で避けられたものだという。「自己申告をしたのに残したのはよくなかった。出されたものが多すぎたというのなら仕方ないし、気持ち悪くなるまで食べる必要はないが、やはり自己申告というところが引っかかった。ラーメン店に入った時『このお店、初めてですか?』『女性だったらこっちの方がいいと思います』と小サイズを勧められたことがある。店の方からもそう言ってもらえれば、客もわかる。客側からも『少食なのでご飯を減らしてください』とか、両方からコミュニケーションがあるといい」と解説した。

 「無料なものは残してもいい」という心理は、2020年からライス有料化に踏み切った滝坂さんの店でも実際に見て取れたという。かつて無料だったライスについて「無料だと気軽に残される方がやっぱりいる。50円でも100円でもいいが、払ったら『お金を出しているし』ともったいないから全部頑張って食べようという心理が多少は生まれるのかなと思い、無料から50円に切り替えた」ところ、食べ残しが激減したという。「無法地帯のような状況から比べればだいぶ減った。うちは残した場合も500円罰金と書いてあり、1日に3回ぐらいはペナルティで取ることがある」と、調子に乗って盛り過ぎた客が残して、罰金を払うケースもあるそうだ。

■ラーメン店にあるルールいろいろ 店と客の関係は

 今回は無料ライスを残す・残さないという事案だったが、客と店の理想的な関係とは何か。例えばラーメン店では、食事中のマナーについて厳しいところもある。滝坂さんは、客にやめてほしいこととして「イヤホンを付けたまま食べないで」「漫画、本、新聞もやめて欲しい」という投稿をしたことがある。イヤホンをつけると店員の声が聞こえず、またスマホで動画などを見ていると、回転が遅くなるからだ。その他、他の店では「私語禁止」「スープから食べること」「飲み干すこと」「子ども入店禁止」などの自主ルールが設けられていることもある。滝坂さんは「麺が伸びるのも嫌。限られた時間で食事に来られる人も多いので、そういった面でも迷惑」と思いを述べた。

 一方で、客側の思いもある。フリーアナウンサーの柴田阿弥は、ラーメン店で1人になりたい時に、イヤホンをしたいという思いもあると述べた。「最初から(ルールが)わかっていたら問題ないが、ラーメン屋さんに私が1人で行く時は、ちょっと人から離れて虚無で食べたい。その時に隣の人の食べる音が嫌だったら(イヤホンして)ノイズキャンセルして食べたい」と理由を語った。またカンニングの竹山隆範は、客側の心得として「音楽を聞いているだけならいいが、スマホで動画を見ながらというのはダメでは。昔のそば屋もそうだったかもしれないが、ラーメン屋にも昔からサッと行って食べて、パッと出る暗黙の了解がある」という視点をあげていた。
(『ABEMA Prime』より)

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