日本中に愛された、唯一無二の声でした。アニメ・ドラえもんの声優を務めた、大山のぶ代さんの訃報から一夜明け、ドラえもん役を引き継いだ、声優・水田わさびさんが、番組の取材に答えてくれました。ドラえもんからドラえもんへ…伝えたい感謝とは。(10月12日OA「サタデーステーション」)
■ドラえもん声優・水田さん 大山さん“秘話”
国民的キャラクター「ドラえもん」の声優を、1979年から2005年まで、26年間にわたり務めた、大山のぶ代さん。
「ドラえもん」はこれまで、のべ70以上の国と地域でも放送されています。大山さんの唯一無二の声は、各国の吹き替えにも大きな影響を与えました。
大山のぶ代さん(1999年放送「徹子の部屋」)
「たまたま、ある方がイタリアで朝テレビ付けたらば『ボンジョルノ イオソノ ドラえもん』。大山さんってイタリア語上手くなったなと思った、というくらいそっくりの声の方が私の声を」
黒柳徹子さん
「あなたのそっくりさんが、その国の言葉で吹き替えてる!?」
19年前、大山さんからドラえもん役を引き継いた、水田わさびさん。サタデーステーションに大山さんとの思い出を語りました。
ドラえもん役 水田わさびさん(50)
「私は新人の頃、先輩たちの『ドラえもん』にいろんな役で出演させてもらったことが何度もありまして、大山さんは『正しい日本語』といつもおっしゃられていたので、絶対に正しいイントネーションでしゃべるようにはしています。『こっちにした方がきれいだよね』って、スタッフさんとディスカッションしながらアフレコを進めていたのを何度も見ているので、そこは大事にしなきゃと思って」
国民的キャラクターの声を引継ぐという重圧のかかる中、心に残っている大山さんからの言葉があります。
ドラえもん役 水田わさびさん(50)
「26年間の愛着があるキャラクターだと、きっと『こうだよ、こうだよ』というのが絶対あったと思うんですよ。そこをあえて「あなたたちのドラえもんにこれからなるんだから」という言葉が出るのは、とても器が大きくて、ドラちゃんのようにおおらかな感じだなとすごく思っています」
■ひみつ道具使えるなら「ウソ800」 大山さんに伝えたい思い
水田さんが今欲しいドラえもんの「ひみつ道具」を聞いてみると…
ドラえもん役 水田わさびさん(50)
「きのう、パッと出たのは、『ウソ800』でしたね。そしたら(大山さんに)会えるって思った」
「ウソ800(エイトオーオー)」とは、未来に帰ることになってしまったドラえもんが、のび太に残したひみつ道具。飲むと、しゃべったことが全部ウソになります。のび太が飲んだことを忘れたあと、「ドラえもんは帰ってこないんだから…もう二度と会えないんだから…」と呟いたことで、ドラえもんとの再会を果たすことができました。
ドラえもん役 水田わさびさん(50)
「最初の頃はお話しするのも恐れ多いなと思ったんですけど、時間が何年と経つたびに、すごくお話したいです。私が実際『ドラちゃんこうだな、ドラえもんってやっぱりすごいな』と背負うものがたくさんあるので、それを大山さんにだったら絶対相談できると思うんですね。それは他のキャスト4人でもなく、同じ境遇をわかってくださっている、大山さんだけなんですよ。だからすごくお話したかったです」
■ドラえもんの声で伝えたラストメッセージ
大山さんは2015年に認知症であることが公表されるなど、晩年は闘病生活が続いていました。そして先月29日、老衰のため亡くなりました。90歳でした。
大山さんはドラえもんの最後の収録の後、こんなメッセージを残していました。
大山のぶ代さん(2005年)
「ドラえもんをずっと見て育ってくださった方、そして今見ている小さなお友達、ドラえもんみたいな気持ちで世の中をずっと楽しく暮らしてください、そう思います。そして…(ドラえもんの声で)『どうもありがとう 長い間でもぼくはまだこれからも元気でいます。みなさんお元気で。バイバイ!』」
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