東京・埼玉で緊縛強盗事件が相次いでいます。 犯罪グループは、どのように強盗に入る家を選んでいるのでしょうか。 こうした犯罪の背景には、「闇名簿」というものがあります。
■なぜ狙われた?スタートは「闇名簿」か
詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明さんが取材で「闇名簿」を入手しました。
病院のカルテ この記事の写真は19枚実際に犯罪グループが持っていた、病院のカルテです。
ここには男性患者の名前、生年月日、住所、電話番号、家族構成、さらに緊急連絡先の欄には、妻と長女の名前、連絡先が書き込まれています。
「闇名簿」とは、
●学校の卒業名簿
●会社の顧客リスト
●不動産の購入者リスト
●病院のカルテ
●町内会名簿
などをベースにして、“闇の名簿屋”とよばれる業者が、不正に入手した個人情報などから作った名簿です。
こういった情報は、どのようにして流出するのでしょうか。
●学校や会社、病院などの内部の人が持ち出して、“闇の名簿屋”に売ったり、
●企業などで個人情報が流出するなどして“闇の名簿屋”に渡ってしまいます。
それが、犯罪グループに売られます。
「闇名簿」どのように流出?過去には、NTT西日本の子会社の元派遣社員の男が、2013〜2023年の約10年にわたり、約900万件の個人情報を不正に持ち出して、複数の名簿業者に売って、約2500万円を得ていたという事件がありました。
過去には10月3日には、タリーズコーヒージャパンが、
▼名前、電話番号、住所など顧客の個人情報9万2000件以上、
▼そのうち、カード番号、セキュリティコードを含むクレジットカード情報が5万2000件以上、
漏洩(ろうえい)した可能性があると発表しました。
「闇名簿」の取引価格は、多田さんによると、名前や電話番号など基本情報だけなら、1件数円〜数十円だということです。
「名前・電話番号・生年月日など基本情報に加え、クレジットカード番号など信用情報が入っている場合、最低でも1件2000円以上になる」ということです。
「闇名簿」の取引価格次のページは
■電話、SNS投稿から狙われる個人情報■電話、SNS投稿から狙われる個人情報
犯罪に利用される「闇名簿」は、アップデートされていきます。
闇名簿アップデートの方法1つ目は、『高齢者・1人暮らしの確認』です。実際に起きたケースです。
奈良県在住の高齢男性 Aさんのもとに、警察官を名乗る女性から、「逮捕した容疑者が、Aさんのことを知っていると言っている」と電話がかかってきます。
Aさんは、「心当たりないです」と答えます。
すると、警察官を名乗る女性が「ご家族の方にも念のため、確認していただけますか?」と聞いてきます。
実際のアポ電Aさんは、電話口で、「私、1人暮らしなんですよね」と答えてしまいます。
警察官を名乗る女性は、「お子さんは別のところでお住まいですか?」とさらに聞いてきます。
Aさんは、「家内が亡くなったので1人なんです」と答えたということです。
電話口で…このやり取りでAさんは、『1人暮らし』という家族構成が犯行グループ側に知られてしまいました。
家族構成を知られてしまう闇名簿アップデートの方法2つ目は、『資産情報の確認』です。
実際に自宅を訪問します。
リフォーム業者を名乗る人物が、「リフォームご希望でしたら見積もり・点検します」と自宅に入り込みます。
そして自宅の中で、「部屋も多くかなり広い家だな」「高級な時計がたくさんあるな」「この部屋には金庫があるのか」などと、自宅内の状況や資産に関する情報を把握します。
このようにして、資産情報を確認します。
自宅の中で9月30日、東京・国分寺市で起きた緊縛強盗事件では、
被害女性は、「飛び込み営業のようなリフォーム会社が訪問してきて、実際にリフォームを行った」
「(リフォームの)時期は、去年11月〜今年1月ごろにかけて」
「代金として数百万円を支払った」と話しています。
現時点で、このリフォーム会社と事件との関連は不明ですが、事件の前にこういった『リフォーム会社の訪問』があったということです。
警視庁が捜査を進めています。
国分寺市の事件さらに、『SNS“パトロール”』というものがあります。
高齢者の場合、本人がSNSをやっていなくても、子どもや孫が、情報をSNSに投稿することがあります。
SNS“パトロール”犯行グループは、こうした投稿から情報を集めます。
「家族でハワイ旅行」「父親に借りた高級腕時計」などの投稿から、資産状況などを確認するということです。
SNS投稿から 今回の一連の事件について、多田さんです。「今回相次ぐ強盗事件でも、高齢夫婦らが狙われている。また、高額のたんす預金があった女性も狙われている。犯人らは、事前に家族構成や資産情報を確認して、情報をアップデートしたうえで、ターゲットとした可能性が高い」 一連の事件について
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■緊縛強盗 ターゲットにならないためにできること■緊縛強盗 ターゲットにならないためにできること
東京・埼玉で緊縛強盗事件が相次いでいます。
犯罪グループは「闇名簿」でターゲットを選んでいる可能性があります。
ターゲットにならないためにできることとは、どんなことなのでしょうか。
対策1.『家に入れない』▼突然の訪問業者は家の中に入れない。
▼高齢者が家に業者を呼ぶ場合は、家族やヘルパーに立ち会ってもらう。
▼悪徳な業者ほど、高齢者が1人のときを狙ってきます。 対策1「家に入れない」 対策2.『自分から情報を漏らさない』
▼怪しい電話には、ささいな情報も漏らさない。長話は避ける。
▼突然のアンケートなどもその場で判断せず、第三者に相談を。 対策2「自分から情報を漏らさない」 対策3.『詐欺対策用の電話を設置する』
▼電話がかかってくると自動的に相手に「通話内容を録音します」などと警告します。
自治体が購入補助や貸し出しなどを実施しています。(※後付けできる機器などもあります)
▼不審な電話が続く場合は、自宅の電話番号を変えることも有効だということです。 対策3「詐欺対策用の電話を設置する」 対策4.『【防犯意識】の高い家にする』
▼センサーライトやカメラ付きインターホン、防犯カメラなどを設置。
▼警備会社のサービスへの加入などで【防犯意識】の高い家だと印象づけます。 対策4【防犯意識】の高い家にする
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年10月8日放送分より)
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