「食欲の秋」に、食べたいものもたくさんありますよね。ただ、10月は一年で最も「食中毒」が多い時期でもあり、注意が必要です。
食中毒に詳しい食品問題評論家の垣田達哉さんに話を聞きます。
■「重なる3つの食中毒」とは?
厚生労働省の統計 この記事の写真厚生労働省の統計では、10月が一年で最も食中毒の発生件数が多い時期となっています。
その理由について、垣田さんに伺ったところ、大きく“2つの要因”があるということです。
それが「重なる3つの食中毒」と「涼しさの落とし穴」です。
食品問題評論家の垣田達哉さんまず1つ目の要因、「重なる3つの食中毒」について教えてください。
垣田さん「厚生労働省の統計の内訳を見ていきます。最初は『自然毒』。これはキノコ類です。秋はキノコ狩りが盛んですが、山で見かけるキノコをシイタケやシメジと思い込んでとって食べてしまって食中毒になるのが結構多い。自然に生えているキノコは、むやみに食べないことが大切です。
続いては『寄生虫』。アニサキスは近年非常に増えている食中毒です。アニサキスは魚に寄生することがあり、例えばサバ、サンマ、カツオ、イカなどにも含まれている可能性があります。秋はこれらの魚介類を食べる機会が多くなるため、注意が必要です。
そして、『細菌』です。こちらも一年中存在しますが、ポイントは気温です。細菌類は20℃以上で増え始め、30℃を超えると猛烈に増えます。ここ数年、温暖化で9月も暑かったですよね。本来10月は気温が下がるはずですが、下がらないことで細菌による食中毒もかつてと比べて増えています」
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■食中毒「涼しさの落とし穴」■食中毒「涼しさの落とし穴」
「涼しさの落とし穴」2つ目の要因は「涼しさの落とし穴」です。これは、どういうことでしょうか?
垣田さん「秋は行楽シーズンで、お弁当を持って行くことが増えますが、『行楽の食事』にも注意点があります。お弁当のご飯とおかずは分け、おかずも一つ一つ小分けにする必要があります。
また、『保冷を油断しないこと』も重要です。朝早く作ったお弁当を昼食に食べるので、保冷剤をお弁当の上か下に入れておくと全体が冷めます。やはり温度が一番の問題なので、ぜひ気を付けていただきたいです。また、温かいご飯は冷ましてから入れるなどの注意も必要です」
そして、「免疫力の低下」についてです。
垣田さん「特にお子さんや高齢者は体力がないため、食中毒になると重篤になることがあります。それ以外の人も、寒暖差が大きい10月は免疫力、抵抗力も低下しやすいため、注意が必要です」
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年10月8日放送)
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