職員に対する数々のハラスメントが明らかになった愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)が25日、町議会全員協議会で辞職を表明した。既に石橋直季・町議会議長へ辞職願を提出しており、5月2日付で辞職する。公職選挙法の規定で、議長が町選挙管理委員会に町長の辞職を通知してから50日以内に出直し町長選が行われる。
職員へのハラスメントは2023年11月に表面化した。「お前ら殺すぞ」などと発言したとされ、井俣町長は記者会見を開いて「場を和ませる冗談のつもりだった」と釈明した上で謝罪した。町議会では同月、町長に対する不信任決議案が提出されたが、必要な4分の3の賛成に届かず否決された。町はこの問題を調査する第三者委員会を設置。井俣町長は第三者委の調査結果を待って進退を含めて判断すると表明していた。
第三者委は今月22日、「お前らの脳みそは鳩の脳みそより小さい」「絶対育休なんか取るなよ」との発言など、パワハラやセクハラ、マタハラなどさまざまな類型のハラスメントが、井俣町長が就任した18年5月以来、繰り返されたと認定する調査報告書を町に提出した。全職員を対象に第三者委が実施したアンケートで、回答した582人のうち108人が「自分自身が町長からハラスメントを受けた」と回答した。
井俣氏は証券会社員などを経て07年から3期、町議を務めた後、18年5月の町長選で初当選し、現在2期目。【荒川基従】
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