埼玉県春日部市で、住宅街の上を大量のムクドリが飛び回っている様子が撮影されました。付近に2週間前に引っ越してきたという住民が「長くは住めない」と話しました。
■霧のように消えゆくムクドリ
ムクドリの群れ この記事の写真住宅街に響き渡る、耳をつんざくような鳴き声。彼らが寝床としているのは、埼玉県春日部駅から徒歩数分の住宅街の一角、マンションなどに囲まれた公園です。
近隣住民「(Q.鳴き声とかどうですか)うるさいよ!!」
「(今の気温なら)クーラーいらないでしょ、ちょうど」
「(Q.窓を開けてると鳴き声が?)聞こえる。こっち来るとうるさいこと」 公園前の生花店の店主
「何十万羽っているんじゃないですか。空が見えないくらいいっぱいいる。ずーっと」 埼玉県春日部市
日中はなんら変わりない普通の街ですが、空がうっすらと暗くなり始めた午後5時、どこからともなくやってくるムクドリの群れ。次々とやってきては群れ同士が合体し、さらに巨大な群れになっていきます。
鳴き声が響く騒音を撒き散らしながら、我が物顔で縦横無尽に飛び回るムクドリ。この騒音は本来なら寝静まる時間の住宅街に鳴き声が響きます。ムクドリにとって時間はお構いなしといった様子で、このまま朝まで騒音が続きます。
電線にも示し合わせたかのように、木から電線に飛び移るムクドリ。すると、飛び立ったかと思うと、一瞬で霧のように消えていきました。ムクドリは悲鳴のような鳴き声を上げ、空を覆い尽くしました。
そして、先ほどの光景が夢だったかのように、住宅街にはようやく静寂が戻ったのです。
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■生活に支障をきたすムクドリの鳴き声■生活に支障をきたすムクドリの鳴き声
マンションの4階公園の目の前にあるマンションの住民はこのように話します。
近隣住民「鳴いてますね」
「(Q.空を覆ってますね?)そうです。真っ暗になってしまうんです」
「(Q.見ててどう?)怖いです」 ムクドリの群れ
マンションの4階に住んでいるため、ちょうど目線の高さに電線や公園の木があり、ムクドリの群れがすぐ目の前を通り過ぎます。
近隣住民「(Q.鳴き声もすごいですね?)窓を閉めてても聞こえるので、厳しいですね」
室内で窓を閉めた状態の騒音レベルは60デシベル近くで、これは1メートルの距離で掃除機をかけている時の音に相当します。この騒音が一晩中続くため、住民は生活に支障が出るほどの騒音に悩まされています。
近隣住民「(Q.寝られますか?)あまり寝られないです。(1日の睡眠時間は)4、5時間ですかね。気になっちゃうので」
「(Q.いつからここに?)まだ引っ越して、そんなに経っていないんですけど」
「(Q.引っ越したばかり?)そうです。2週間くらい前ですけど」
「(Q.この状況は知ってた?)いや知らなくて。ここを(内見で)見に来たのが日中だったので、こんなになっているとは思ってなくてびっくりしてます」 内見では把握できず
ムクドリが集まるのは夕方から朝にかけてです。そのため、日中の内見では気付くことができませんでした。
近隣住民「(Q.最初見たときの気持ちは?)ほんとに『え!!』みたいな。びっくりですね。こんなに集まってくるなんてって感じです。ショックというか、何とも言い難い」
引っ越し後に初めて目の当たりにしたショッキングな光景です。
近隣住民「(Q.部屋を借りる際、管理会社などからムクドリがいることは案内あった?)特になかったです」
「(Q.入居してから分かった?)そうですね」
「(Q.先に知りたかった?)そうですね。知ってれば(入居を)考えたかなというところですね」
住民は引っ越したばかりで、すぐには転居することができないといいます。
近隣住民「がんばって1年くらいは耐えようかなと考えています。長年は厳しいと思います」
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■我が物顔で旋回するムクドリの大群■我が物顔で旋回するムクドリの大群
東川口駅周辺でも空が暗くなり始めた午後5時ごろ、埼玉県東川口駅周辺でも異様な光景が見られました。
空を埋め尽くすほどのムクドリの大群が縦横無尽に飛び回り、ロータリーに立つ2本の木に続々と降り立ちました。この大群に住民も困惑しています。
川口市のムクドリ対策 近くの住人「今の時期も夕方から夜はほぼ毎日」
「最近は深夜も鳴いている」
「フンがすごくてね、風にのってきたりすることもあるので、洗濯物に(フンが)落ちてたり、ベランダの壁とかにもフンが」
川口市は15年ほど前からねぐらの枝を切り、止まりづらくするなどの対策を行ってきたものの、根本的な解決には至っていません。
さいたま新都心駅周辺のムクドリ被害10年ほど前からムクドリ被害に悩まされているさいたま新都心駅周辺では、8年前にムクドリが嫌がる機械を導入し、3年前にはねぐらとなっていた複数の街路樹に青いネットを設置するなど、ムクドリ対策に奔走してきました。
その後、一度はムクドリを追い払うことに成功したものの、翌年には対策を施した場所から500メートルほど南にある住宅街へと移動しました。住民は洗濯物が外で干せなくなるほどの影響を受けていました。
その後もさいたま市はムクドリが寄り付かないように木の枝を切るなどの対策を継続。今年も7月に9本の木をムクドリが止まらないように剪定(せんてい)したといいます。
さいたま市の対策 今後も続く予定しかし、現場を取材すると、空にはムクドリの大群が我が物顔で旋回を繰り返していました。
地元の住人「前はもっとあっちのマンションにもいたけど、網を張られたから、こっちに移動したと思う」
ムクドリは住宅街から商業施設の木に場所を移していました。
さいたま市担当者「対策を続けてきたからなのか、今年はムクドリが少なくなっています。市で管理している街路樹にはほとんど寄り付いていないのですが、近くの商業施設の木に移動してしまったようです」
さいたま市は、今後もムクドリの状況を見ながら対策を続けていくとしています。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年10月8日放送分より)
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