渋谷区と新宿区の両区長が7日にそろって会見を行い、ハロウィン期間における路上飲酒などについて、今後の対応策を語りました。課題として挙げられたのは、外国人観光客による“オーバーツーリズム”の問題です。
■渋谷区と新宿区“タッグ”で対策
今年ももうすぐハロウィンがやってきます。今年は渋谷区・新宿区がタッグを組み、対策に臨みます。
渋谷区 長谷部健区長
「昨年は来訪者増大を懸念し、初めてハロウィン目的で渋谷の街に来ないでほしいという苦渋の決断をしました。今年も渋谷はハロウィンをお休みします」
新宿区 吉住健一区長
「自分の飲食をした後にゴミを残していくことは、教養のある理性のある人間が行うことではありません」
月末のハロウィンを前に、渋谷区・新宿区の両区長が訴えたのは路上飲酒禁止の徹底です。会見が外国特派員協会で行われたのは、それだけ訪日外国人を意識してのことです。
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■渋谷区は条例強化“没収”も…■渋谷区は条例強化“没収”も…
渋谷区は今月1日から条例を強化。これまでイベント事などが行われる期間のみ、路上での飲酒を禁止していましたが、これからは通年で禁止としました。
さらに“没収”という強制力も追加。週末など多い日は約400ものお酒が回収されるといいます。そうです。ただ、なかにはこんな人も…。
男性
「え?今月から?え?今買ったばかりなのに。今ちょうど買って乾杯して開けたばっかりだったんで、なんか悔しいなって。時期的に外で飲むのがいい時期なんで、ちょっと嫌ですね。だいぶ嫌ですね」
オーストラリアからの観光客は…。
オーストラリアから来た観光客
「オーストラリアと違って日本なら外で飲酒できると思った。路上で飲んで、店で飲んで、また路上で飲んで、別の店に入ろうかと思っていたが、仕方がないですね」
スペイン人観光客からはこんな声も…。
スペインから来た観光客
「(スペインで)夜に外で酒を飲むのは普通のことです。水やコーラでも一緒でしょ」
渋谷区では今月から禁止エリアを大幅に拡大。センター街などを中心としたエリアから渋谷区役所周辺まで範囲を広げています。
パトロールは毎日、夕方から明け方まで。
渋谷区安全対策課 東浦幸生課長
「これまではマナー啓発だと。それがダメだったから条例で禁止に。それもダメならお金(罰金)を取るかと段階的に進んでいくと思う」
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■対策“いたちごっこ”の懸念は…■対策“いたちごっこ”の懸念は…
渋谷の規制が強化される一方で…。
女性
「渋谷ハロウィンに行こうと話していたがダメって言われたので、新宿ならいいかなと思って」
新宿区には去年、渋谷での規制をきっかけに約3000人が移動。ごみの放置など“観光公害”に悩まされた経験があります。
そこで新宿区も今年6月、ハロウィンに向けて条例を制定。歌舞伎町から靖国通りを挟んだ一帯で、路上飲酒禁止を決めました。
新宿区 吉住健一区長
「昨年は翌朝、職員が出勤してきて、あまりの街の汚さに驚いて、ゴミを拾いに行くことになった」
また別の繁華街が混雑する、いわいる“いたちごっこ”の心配はないのでしょうか。
渋谷区 長谷部健区長
「新宿でも規制を厳しくして多少の分散はあるかもしれないが、かといって渋谷や新宿に人が来なくなるわけではないので、徐々にその影響は小さくなっていくと考えている。事前に繁華街を抱えている区に対しては、こういった取り組みを渋谷と新宿で行うことを伝えて、ある程度の理解は得ている」
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