24日はひんやりとした一日となりましたが、25日は一転、関東を中心に気温が急上昇します。甲府では予想最高気温が31度となっていて、30度以上の真夏日になるところもありそうです。去年5月に季節外れの暑さとなった際には、熱中症で搬送される人が相次ぎました。平均気温が年々高まるなか、24日から『熱中症特別警戒アラート』の運用が始まりました。

■“熱波が来てからでは遅い”

湿度や気温などで算出される『暑さ指数』が都道府県ごとに全ての地点で『35』以上となった場合、特別警戒アラートが出されます。これまでの最高は2020年、埼玉県で『34』。従来の警戒アラートは『33』。学校などでは『31』で屋外の運動を取り止めています。

環境省は、カナダなどで起きた暑さによる災害を想定し、「熱波が来てからでは遅いので、起こる前に開始した」としています。自治体への通知はメールで行われます。

訓練用メール
「広域的に過去に例のない危険な暑さ等となり、人の健康に係る重大な被害が生じるおそれがあります!自分の身を守るだけでなく、危険な暑さから、自分と自分の周りの人の命を守ってください!」

江戸川区気候変動適応計画課 佐藤弥栄課長
「無線を使って区民の皆さんにお知らせします」

警戒情報や避難所の開放について、SNSも利用して迅速に市民に知らせる方針です。

江戸川区気候変動適応計画課 佐藤弥栄課長
「(警戒情報は)“災害級”。事前に早めに準備して対応していきたい」


■店舗も解放“シェルター”に

特別警戒アラートで必要なのは、周りの人の命も守ること。暑さから逃げるための『クーリングシェルター』の整備が、この夏、全国の自治体に求められます。指定を受けた施設は熱中症特別警戒アラートの際には開放が義務付けられています。また、クーリングシェルターは民間の協力もあおぎます。

ウエルシア市原五井中央店 内山智裕店長
「通学路になっているので、お子様とかご高齢の方が体調を崩した時に、寄り添って休めて駆け込めるクーリングシェルターになれば。冷えている飲み物もあるので、ドラッグストアだからできることも」

今年の夏もいつもより暑くなる予報。様々な場面で去年より警戒が強化されます。

盛山正仁文部科学大臣
「地球温暖化が本当に肌で感じるくらい進行していると思いますので。我々が昔の感覚で、スポーツに限らないと思いますけど。それぞれの責任をお持ちの方あるいは団体組織で、徹底した熱中症対策に取り組んでいくことが重要」


■危険な暑さで“生活”も変化

試合中の気温が30度を超えることもある高校野球・夏の甲子園大会では、暑さのピークを避けて、朝と夕方に行う『2部制』が開幕からの3日間試験導入されます。

1000年の歴史をもつ相馬野馬追は、明治7年から7月に開催してきましたが、今年は5月に。

相馬野馬追 平田良親事務局長
「人の命や馬の命に関わるのでのんびりしていられない。いろいろ意見をお聞きして、この日程変更が文化財としての価値を損なうものではないという判断をもらった」

特別警戒アラートが出た場合、イベント主催者は全ての人の熱中症対策を確認し、できていない場合は中止などの判断を求められます。

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