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2日午前8時前、宮崎空港の滑走路近くで爆発が起きました。

■宮崎空港で「不発弾」爆発

現場に開いた大きな穴。表面を覆っていたアスファルトは、いくつにも割れ、破片などが直径約400メートルの範囲に飛び散りました。

この影響で、滑走路が閉鎖されました。航空各社は、搭乗手続きを停止し、約6000人に影響が出ました。

■航空機通過…“1分後”に衝撃

富山へ帰る人
「お葬式で来た。困る。とりあえず鹿児島(空港)まで行こうと思ってる。何とか、きょう中に帰れれば。めどが全然立たないので、困ったね」

東京へ行く人
「(Q.何時の便に乗っていた)8時20分の東京行き。飛行機に乗って、アナウンスがあって、それで知った。『滑走路に異常が起きているので、それを点検しています』と。(Q.空港側からどういう説明があった)穴が開いていて、周りにいろんなものが飛び散ってるから、ひょっとしたら爆発かもしれないと言われて」

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■500ポンド爆弾と判明

■500ポンド爆弾と判明

宮崎空港の滑走路は、東西に伸びる1本。爆発があったのは、駐機場と滑走路をつなぐ誘導路と呼ばれるものの1つで、現場の写真を見ると、大きな穴が開いているのがわかります。大きさは直径約7メートル、深さ約1メートルだということです。けが人の情報はありません。

午後2時ごろ、陥没の原因を調べるため、自衛隊が現場に入りました。陸上自衛隊によりますと、佐賀県の目達原駐屯地の不発弾処理隊を派遣したということです。

午後4時過ぎ、国土交通省が会見を開きました。

国交省宮崎空港事務所・加藤浩介空港長
「現場を確認したところ、原因が不発弾によるものと判明した。不発弾が何らかの原因により、爆発したものと思われる。自衛隊による確認の結果、不発弾と特定したと報告を受けている。(Q.なぜ爆発したのか)現状ではわからない。(Q.今後もわからない)はい」

不発弾は、アメリカ製の500ポンド爆弾だということです。

国交省宮崎空港事務所・加藤浩介空港長
「今回、爆発が起こった箇所に飛行機が駐機・通過していれば、それなりの被害が発生していたのではないか」

宮崎空港は、1943年、旧海軍の飛行基地として建設。戦時中は、幾度となく空襲にさらされました。また、当時は特攻隊の基地でもあったため、多くの若者が出撃し、命を落としています。

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■国交省「調査したか不明…」

■国交省「調査したか不明…」

戦争を研究している南九州文化研究会の稲田哲也さん(53)。
空襲は、大規模だったということです。

南九州文化研究会・稲田哲也さん
「マリアナ諸島のB−29が、都市爆撃をずっとやっていた。一部、九州各地の航空基地を爆撃するためにふり向けた。(Q.宮崎空港周辺で何発ぐらいの爆弾が)資料を見ると、1回の爆撃で、300発とか落としたときもある。概算でおそらく1000発以上、落としているのではないかと。(Q.爆発してしまうことも)まだまだ爆弾は生きている。造りがしっかりしているから、戦後79年だが、腐食や劣化にも耐えうるものではあるだろう。あまり珍しい事例ではない」

宮崎空港周辺では、この15年間に4回、不発弾が見つかっています。そのうち、2011年と2021年は、建設工事の際の検査で発見されています。

国交省宮崎空港事務所・加藤浩介空港長
「(Q.今回の爆発箇所は調査済みか)過去の整備時の資料は、現状、確認できているわけではない。明確に、今回、調査したが、不発弾が埋まっていたということは、何とも申し上げることはできないが、施設整備をする際は、不発弾が埋まっていないかどうか確認はする手順になっている」

宮崎空港の開港は70年前。当時の資料が確認できていないので、不発弾の調査をしたかどうかは、定かではないということです。その状態でも、3日の運航再開を決めました。

国交省宮崎空港事務所・加藤浩介空港長
「空港全体を再確認するやり方も一つあるかもしれないが、利便性というバランスを考えて、

陥没した部分の埋め戻しが完了でき次第、空港の運用を再開したい。今回の事案を踏まえ、空港全域にわたる確認の必要性の有無や、方法について、関係機関と早急に検討を進めたい。(Q.その検討の結果が出るのを待たず運用を再開する)基本的には整備が行われた箇所は、安全性は問題ないと考えている」

国交省によりますと、本来の手順では、2メートルの深さまで探査できる金属探知機などを使うということですが、今回の不発弾については、過去に調査が行われたかどうかも含めて調べるということです。

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■不発弾処理“1日6件以上”

■不発弾処理“1日6件以上”

◆不発弾は、どれくらい全国にあるのでしょうか。

防衛省によりますと、2023年度、国内で処理された不発弾は2348件だったといいます。単純計算で、1日6件以上のペースで処理されていることになります。最も多いのは、沖縄で、全体の2割程度を占めます。ただ、まだ、どれだけの不発弾が残っているのか実態把握は難しいということです。

不発弾は80年近く前のものですが、劣化せずに爆発するものなのでしょうか。

※国や自治体から不発弾などの探査の依頼を受け、不発弾の仕組みに詳しい日本物理探鑛地質調査部・田中剛部長に聞きました。

田中さんは「80年近く前のものでも爆発することはある」といいます。「投下された爆弾は、完全に地中に埋まる。金属を錆びさせる酸素に触れないため、爆弾が劣化しない場合がある。不発弾は、建設工事の際に見つかるケースがほとんど。重機が地中の不発弾に触れて爆発するケースもある」といいます。

ただ、今回の映像を見ると、宮崎空港では工事などしていなくて、いきなり爆発したように見えます。

過去にも、突然、爆発したケースはあります。
2018年、鹿児島県の喜界島で、不発弾とみられるものが突然、爆発し、住宅の倉庫を破壊しました。爆発の原因はわかっていません。

突然、爆発する原因には、何が考えられるのでしょうか。

不発弾などの探査を請け負う田中さんは「“時限式の爆弾”だった可能性がある。爆弾投下後、一定の時間が経つと、起爆装置が作動する仕組み。今回は、何らかの理由で起爆装置が作動した可能性があるのでは。地震や飛行機による小さな揺れでも、起爆装置が作動する可能性も否定できない」といいます。

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