埼玉県警本部

 埼玉県所沢市で起きた強盗事件に関与したとして逮捕された男性3人のうち1人が、9月30日に東京都国分寺市であった強盗事件への関与をほのめかす供述をしていることが県警への取材で判明した。「指示役から『逃げたら殺す』と言われて離脱できなかった」と供述している容疑者もいるという。県警は2日、警視庁と共同捜査を始め、指示役の特定などを進める。

 所沢市の事件は1日未明に発生。男性4人が住宅に押し入り、80代の住人夫婦を縛って現金約8万円などを奪って逃走した。

 県警は1日、前橋市城東町3、海藤貴志(43)▽神奈川県小田原市飯泉、佐藤聖峻(24)▽自称・和佐裕夢(28)――の3容疑者を強盗致傷容疑で逮捕した。他に1人が逃走しており、行方を追っている。

 県警は、所沢市の現場から北約30メートルの路上で軽乗用車を、北西約1・8キロのコンビニ駐車場で乗用車を発見し、押収した。この2台は国分寺市の現場から逃走した車と同一とみられる。容疑者らのうち一部が国分寺市の事件に関与したとみて調べる。県警は車両をもう1台押収している。

 逮捕された3人は事件前に面識がなかったといい、それぞれ闇バイトに応募したと説明。うち1人は指示役の存在を明かした上で、「逃げてるんじゃねえ」などと脅されていたと供述しているという。指示役とのやりとりは匿名性の高い通信アプリの音声通話が使われていたとみられる。

 県警は、SNS(ネット交流サービス)を通じて緩やかに結びつく「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による事件とみて捜査している。

 また、捜査関係者によると、国分寺市の住宅であった強盗事件では、被害にあった60代女性が「現金数百万円を奪われた」と話しているという。

 9月28日にも東京都練馬区の住宅で強盗事件があり、現金約5000円や高級腕時計やネックレスなどが奪われた。一部の容疑者が逮捕されているが、現金と時計は見つかっていない。【安達恒太郎、岩崎歩】

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