石川県の能登地方は、元日の地震に続き豪雨と度重なる災害に襲われました。番組の取材班は、カキ養殖を行う83歳の女性の元を再び尋ねました。
■豪雨の影響は稲にも…150万円相当が収穫できず
この週末の豪雨災害で、7人が死亡、6人が不明になっている石川県の能登地方。農作物にも、大きな爪痕を残していました。
稲作も被害に この記事の写真番組の取材班が向かったのは、輪島市から南に20キロ離れた穴水町。農林水産省によりますと、この地域では年間1380トンもの稲が収穫されていますが、今、危機に瀕(ひん)しています。
「売り物にならない」 コメ農家 川端勝巳さん(66)「ここはもう色が変わってるから、刈っても(収穫しても)商品価値ない」
「(Q.ちょっと黒くなってるあたり?)そう、そう、そう」
「(Q.これは売り物にならない?)ならない。後片付けにかなり費用がかかる」 150万円相当の被害
川端さんはこの地で40年間、農家を続けています。豪雨の影響で収穫できなくなった稲は150万円相当に…。さらに処理費用もかかるといいます。
コメ農家 川端勝巳さん 川端さん「(Q.稲作業でも被害に?)最悪よ。どうすることもできない。どうすることもならん。一生懸命コメ作ってるんだけどね。まだ生きとるだけ良いかな。そう思わんと。死んだ人もおるから、コメなんて言ってられんやろ」
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■震災で孤立した集落 83歳女性の今は?■震災で孤立した集落 83歳女性の今は?
石川県穴水町元日の震災後、一時、人口の半分以上にあたる3991人の住民が避難生活を送っていた穴水町。番組は当時、道路が寸断されて孤立した集落へ。近隣住民と身を寄せ合いながら、生活する人たちを取材していました。
近くの住民の家を訪ね歩いていたのは、83歳の馬道百合子さん。
馬道百合子さん 馬道さん「身も心も震え上がるような目に遭うと、人の話し声が頼りに。そちらの方に自然と足が向いてね」
集落のほとんどの住民が避難し、不安が広がるなか住民を気遣い励まし続けていました。
週末の豪雨災害後、番組は再び集落を訪ねました。
8カ月経過も状況変わらず1月の取材の際に、屋根が1階部分を押しつぶすように倒壊し、雪が降り積もっていた家屋。8カ月経った今も変わらない状態で残っていました。
馬道さんは無事なのでしょうか?自宅を訪ねてみると…。
馬道さん「こんにちは。どうもようこそ。うち上がりますか?」 今回の大雨による被害なし
震災後も避難せず、自宅の壊れた場所を一つひとつ直しながら、生活を再建してきた馬道さん。今回の大雨による住宅への被害はなかったといいます。
「一日一日無事であることが、なんてありがたい」 馬道さん「いつ何が起こるか分からんっていう、日常の生活を深く深く感じてね。本当に一日一日無事であることが、なんてありがたいことやなと思いながら、きょうに至っております」
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■カキの養殖を再開 「生きる命の源」■カキの養殖を再開 「生きる命の源」
60年以上継続の仕事を再開自宅の修繕と並行して、馬道さんは60年以上続けてきた仕事を再開させていました。
カキの養殖場武隈光希アナウンサーが船に乗って向かったのは、馬道さんの仕事場である「カキの養殖場」。
穴水町はカキの養殖が盛んで、震災後も県内では穴水町のカキをふるまう祭りが開かれています。
天候が回復してから、初めて海に出る馬道さん。海は泥で濁っていて、果たしてカキは無事なのか心配そうな面持ちで、養殖場へと向かいます。
「雨の影響で真っ黒やった」 馬道さん「(Q.泥がついているのは普通?)(週末の)雨の影響。雨でね、ここ真っ黒やったんや」
「(Q.泥かぶってるとダメ?)少しの日にちは大丈夫。だから、いっぺん上げてゆすぐのをやらないとね。あんなひどい雨は滅多にないからね」
川上から流れてきた土砂で、泥をかぶった貝。馬道さんが一度、引き揚げ、泥をとってから戻していました。
2年かけて育てるカキは2年かけて丁寧に育てた後、出荷するといいます。
「生きる命の源」 馬道さん「(Q.馬道さんにとってカキ漁は?)命のある間ちょっとでも1年でも良いわ(続けたい)。私にとっては生きる命の源」
(「グッド!モーニング」2024年9月24日放送分より)
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