能登半島では、大雨による影響が今も続いています。なぜ、ここまで被害が広がったのでしょうか。

記録的な大雨をもたらした雨雲は、21日の午前中、能登半島に覆い続けます。

気象庁は、21日午前10時50分、石川県に『大雨特別警報』を発表しました。それから、まもない午前11時、珠洲市を流れる若山川が氾濫しました。

輪島市内にも強烈な雨が打ちつけていました。72時間に降った雨量を見ると、輪島市が546.0ミリ、珠洲市では403.0ミリと、いずれも、平年の9月に降る2倍以上の雨が、たった3日間で降ったことになります。

娘の安否がわかっていない輪島市の喜三鷹也さん(42)。輪島市内を流れる塚田川の氾濫によって家が完全に流されました。その時の状況について、こう話します。

翼音さん(14)の父・喜三鷹也さん
「戸が開くなら、3階もあるから3階に逃げてくれと言ったけど、『戸がもう開かない』と言っていました。(Q.何時ごろ)9時43分のライン電話で言っています。10時ごろには音信不通でつながらなかったので、そのころには、家が、もしかしたら流れていたのか…」

珠洲市や輪島市などでは、21日の時点で、16の河川が氾濫しました。

今回の大雨、ピークは翌朝にも。22日7時半過ぎからの1時間、発達した雨雲が、またしても能登半島にかかり続けました。
前日氾濫した河川のうち、6つの河川で再び氾濫が確認されました。

若山川の川沿いに建つ家が傾いていました。1度目の氾濫では、この状況にはなっていなかったそうです。

近くに住む人
「川は、すごく水かさが増していて、勢いもよかったところに(さらに雨で)ちょっとガタっとしてた。21日はそのままだった、まだ建っていた」

今回の災害には、どのような特徴があるのか。

東京理科大学・二瓶泰雄教授
「上流から大量の土砂と流木が流れてきてたと思うが、もし川の長さが長ければ、そういう影響は上流域だけだった。能登のように上流と海まで短い上流で土砂崩れが起こった影響が、人がいっぱい住む海の側まで来た被害が実際多く起こった」

また、地震の影響については、こう話します。

東京理科大学・二瓶泰雄教授
「例えば、地盤が沈下してしまって、そこに土のうとか積まれていた。本来だったら、コンクリートで護岸を覆う必要があったが、時間とか作業する状況が、なかなか確保できていないので、地震と洪水のマルチハザードだったと思う」

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