能登半島を襲った記録的な大雨で、孤立集落は一時115カ所に上りました。今どのような生活を送っているのか、現地を取材しました。

■一時115カ所“孤立集落”生活は?

 辺り一面に押し寄せる濁流。これは建物の2階から撮影した映像です。住宅の1階部分は水没しているのが分かります。

 大規模な水害が起きたのは能登半島の北部、石川県輪島市の町野町粟蔵地区。「孤立集落」の一つでした。

 石川県によりますと、輪島市、珠洲市、能登町では「孤立集落」が一時115カ所に上りました。

 これは、22日の午後2時ごろにテレビ朝日の取材班がドローンで撮影した映像です。輪島市町野町の「孤立集落」へ向かう道路は土砂で埋め尽くされていて、通行できない状況です。

 取材班は町野町を目指します。道中には至る所に土砂崩れの爪痕が…。

 ただ、22日の午後2時には通行できなかったルートは自衛隊が復旧させたとのことで23日は通れるようになり、町野町の中心地へたどり着けるようになりました。

 冠水被害に遭った町野町粟蔵地区は、電気も水道も止まったままです。

 ここで暮らす人々は、今年大きな災害を2度経験しています。1月の能登半島地震で60軒の住宅のうち、9割に及ぶ55軒が倒壊したといいます。

 当時、地区で唯一のスーパーマーケットでは…。

利用客
「本当に助かりますわ」

 電気が通っていなくとも地震が起きた元日から営業を続け、被災した人々の生活を長い間、支えていました。

 ところが23日、訪ねると…。21日の豪雨で町を覆った濁流がスーパーの店内に流れ込んできたのです。スーパーの2階に避難して町を見渡すと、辺りは濁流にのみ込まれていました。

 3時間後、水が引くのを待ち店内に入ってみると…。

もとやスーパー 本谷一知さん(46)
「床は泥水で思うように歩けません。すべて奥まで流されて本当に…津波の状況と一緒」

 2メートル近く浸水して、店内は壊滅状態に…。

本谷一知さん
「色が変わっている所が水位になっている。僕が176センチなので、(水位は)180センチくらい。手付かず状態。地震の時は散乱しているだけだったので、お客さんにあげられたけど水を被ってしまったら、商売的にはストップ。やっぱりできない」

 豪雨によって町野川が氾濫。その支流の「鈴屋川」は、スーパーから約50メートルの所にあります。

 スーパーの周辺の川沿いには、住宅が建ち並んでいました。住民が住む家も、地震の被害で倒壊した家のがれきも、車もすべて氾濫した濁流がのみ込んでいきます。

 被災した人々は、スーパーに物資を持ち寄っていました。

もとやスーパー 本谷理知子さん(73)
「皆、厚意で持ってきてくれた品物ばかり。本当に皆さんの厚意です」

 十分な物資がまだ届かなくとも、人々は前を向いて助け合っています。

本谷理知子さん
「この地域の人は皆、家族みたい。どこで何をしているか皆知っているから。だから、お互い様で助け合うしかない」

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