記録的な豪雨に見舞われた能登半島。これまでの雨量は平年の9月1カ月分の2倍余りに上っています。川の氾濫や土砂災害などの被害が相次ぎ、石川県によりますと、1人が死亡、8人の行方が分からなくなっています。
■能登半島に記録的豪雨
1月の能登半島地震で倒壊した住宅。そのがれきがいまだに残る、石川県珠洲市です。朝から激しい雨が地面をたたき付けます。
珠洲市では、平年9月の2カ月分の雨がこの2日間で降っています。観測史上1位となる大雨で市内の7つの川が氾濫。道路が崩落するなど、甚大な被害が出ています。
氾濫した竹中川では大雨の爪痕が。橋の欄干が外れ、大きく曲がっています。
石川県は災害の危険度が高まっているとして、市内全域1万1545人に避難指示を出しています。
住民
「うちの周りは水がすごくて危ないかなと。裏も土砂が流れてきたら怖い」
「(Q.これが自宅?)近所のうち」
濁流が勢い良く押し寄せるこの場所は川ではなく、住宅密集地の生活道路です。
22日朝も水が引かずに、玄関の前はまるで池のように…。
床上浸水の被害に遭った住民は、住宅に流れ込んだ大量の土砂を目の当たりにして途方に暮れています。
住民
「泥を捨てるにもどこからどういうふうにしたら良いのか。『誰か教えて』って。こんなの初めてやもん。あーしんどい」
珠洲市に隣接する輪島市でも、観測史上1位の猛烈な雨が降りました。
山奥にある親戚の家に取り残された大学生が取材に応じ、孤立した状況を訴えます。
山奥で孤立する広瀬陽希さん
「電気は停電していて、きょう行ったところも電線が切れて垂れ下がっていた。そこをかき分けながら土砂崩れに注意しながら進む状況」
携帯電話の電波は圏外。わずかにつながるWi-Fiを使い、災害の情報を得ています。
山奥で孤立する広瀬陽希さん
「離れたいが救助もまだ来ない。しばらくかかるのかなと」
輪島市久手川町では…。
屋根もろとも押し流され土台だけしか残っていません。いまだ激しく水が流れています。
塚田川が氾濫し、川沿いの住宅4軒が流され、住民4人と連絡が取れなくなっています。
行方不明者の1人は、中学3年生の喜三翼音さんです。父親の鷹也さん(42)は娘が戻ってくることを願っています。
行方不明の娘を待つ喜三鷹也さん
「妻ともう1人の娘が運動会だったので(きのう)午前8時半から9時の間に家を出ている。娘1人だけ寝ていた状態で、学校も休みだったので。頭の良い子で絵が好きで歌が好きだった。とにかくどんな形でも見つかってほしいという願いだけ」
▶テレ朝天気
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