兵庫県の斎藤元彦知事(46)への不信任決議案が全会一致で可決されました。斎藤知事は、県政を前に進めると主張し、県議会の解散については「覚悟が必要」と話しました。

■県議86人全員が不信任賛成 兵庫知事は…

兵庫県議会 浜田知昭議長
「斎藤元彦兵庫県知事に対する不信任決議案は可決されました」

 可決された瞬間も、斎藤知事は固く口を結び、終始表情を変えることはありませんでした。

 就任から3年と50日を迎えた19日、86人の県議全員が賛成した、知事に対する不信任決議案。

 19日午前11時に始まった兵庫県議会。冒頭、知事が口にしたのは謝罪の言葉でした。

斎藤知事
「心よりおわびを申し上げます」

 一方で、これまでと同じように真っすぐ前を見つめ、改めて続投の意志を貫きました。

斎藤知事
「反省すべき点、改めるべき点をしっかりと受け止め、日々の仕事に生かしていくことが、県政を前に進めていく上で大切である」

■県議からも…知事は「速やかに辞職すべき」

 しかし、すべての会派の県議から厳しい指摘が投げ掛けられました。

自民党 戸井田ゆうすけ議員(42)
「県民の信頼は失われ、県庁組織・県職員は疑心暗鬼に陥り、議会をも巻き込み、県政は長期にわたる深刻な停滞と混乱を極めている」

日本共産党 庄本えつこ議員(70)
「知事は初動から間違いを犯した」

ひょうご県民連合 迎山志保議員(49)
「知事にふさわしい人を決めるのは、知事本人ではなく県民」

公明党 越田浩矢議員(56)
「県民の代表である県議会が全会一致で不信任決議をすることは、知事への県民の負託が否定されていると重く受け止め、速やかに辞職すべき」

 3年前の知事選挙で同じ街宣車に乗り、知事を支援していた議員もこう述べます。

維新の会 徳安淳子議員(62)
「(知事選から)3年あまり、まさかこのような日を迎えるとは夢にも思いませんでした。このような厳しい現実を斎藤知事と共有できないことが大変残念」

 共に戦ってきた仲間からの厳しい声に、何を思ったのでしょうか。

 専門家は、次のように話します。

法政大学大学院 白鳥浩教授
「今はまったく味方がいない。この状況を作ってしまったのは、今までのご自身の発言であったり、これまでの決断が招いてしまった。そう言わざるを得ない」

■議会の解散か辞職か 解散は「覚悟必要」 

浜田議長
「投票総数86票。白票(賛成)86票、青票(反対)0票。以上の通り、白票が所定数以上であります。よって、斎藤元彦兵庫県知事に対する不信任決議案は可決されました」

白鳥教授
「白票というのは不信任に賛成だという票だが、それがどんどん積み上がっていくのは初めてのケース」

 知事の不信任決議が可決されたのは全国で5例目。知事は議会の解散か辞職か、10日以内に選ぶことになります。

 解散を選んだ場合、知事の職務はいったん継続。その後、新たに発足した県議会で不信任案が提出され、再び可決されれば、知事は失職します。

白鳥教授
「ここまでくると自分から辞職するという選択肢は今のところないだろう。少しでも長く県知事にとどまりたいということであれば、県議会の解散を選択する、その可能性は非常に高いだろう」

 辞職か、史上初となる県議会解散か。県政を左右する次の選択が注目されましたが、進退は明らかにしませんでした。

斎藤知事
「(Q.県政を前に進める気持ちに変わりはない?)その気持ちは変わりない。(議会解散を)決めるにも一定の覚悟と判断が必要なので、これからしっかり考えていく」

(「グッド!モーニング」2024年9月20日放送分より)

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