なぜ、異例の事態が起きたのか。東北新幹線で連結部分が走行中に外れ、緊急停止するトラブルが発生しました。19日午後、JR東日本が取材に応じました。

■時速315キロで走行中に連結外れる

福島に向かう人
「今、困ってるんですよ、もう。来て初めてこの状況分かって」

東京に向かう人
「『置いてけぼりこまち』を見ました。どうやって帰ろうと」

 東北新幹線で起きた前代未聞の事故。午前8時すぎ、宮城県大崎市の線路上で東京行きの「はやぶさ」と「こまち」をつなぐ連結部分が走行中に突然、外れて緊急停車しました。

 ともに脱線はしておらず、約320人の乗客にけがはありませんでしたが、首都圏と東北を結ぶ大動脈が約5時間にわたって全線で運転見合わせとなりました。

工学院大学工学部 高木亮教授
「あってはいけないタイプの事故だと思いますね。今回は離れて止まったから良かったね、なんですけど。1回離れたんだけれども止まっていく過程で前の(車両の)減速度が高くなってぶつかっちゃったみたいなことがありえたと思うんですよ。非常に危ないケースだったと思います」

 毎日、盛岡駅で見ることができる新幹線の「連結」の様子です。事故を起こした「はやぶさ」と「こまち」も盛岡駅で連結、その30分後、時速約315キロで走行中に連結部分が外れたということです。

 なぜ、連結部分が外れたのか…。

 専門家で鉄道の安全対策に詳しい工学院大学の高木教授は2つの可能性を挙げました。

工学院大学工学部 高木亮教授
「連結器が異常を起こしたか、2つの編成をつなげたり切り離したりする連結解放装置、そういう装置にトラブルがあったか。その2つの可能性を考えています」

 連結器が折れるなど物理的に壊れたか、もしくは連結器を動かす電気系統にトラブルが起きた可能性があると推測。

■なぜ“異例の事態”JR東日本は?

 JR東日本は、その連結部分の写真を公開。外観に異常はなかったと発表しました。

 高木教授は今回、電気系統にトラブルが起きた可能性があるとみています。

工学院大学工学部 高木亮教授
「連結器は他でもいっぱい使われているもので、その手(破損)のトラブルは聞かないので、電気(系統)かなと」

 東京から新青森方面に向かう「はやぶさ」と東京から秋田方面に向かう「こまち」。盛岡駅では上りと下りでそれぞれ一日20回以上、「連結」と「切り離し」が行われています。

工学院大学工学部 高木亮教授
「頻繁に外したり付けたりを繰り返す連結器と言える。かなりの頻度でつなげる切り離すを繰り返した結果、劣化しやすいと言える。明らかにするべきことがこれからまだまだいっぱいある」

 JR東日本は原因について「人為的ミスの可能性はない」と説明。現在、原因究明に努めているとしています。

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