19日、不信任決議案の提出で決断を迫られる斎藤元彦知事(46)。知事選、県議選の「ダブル選挙」の可能性を指摘する声も浮上しています。

■知事選と県議選 「W選挙」の可能性?

 斎藤兵庫県知事のパワハラ、おねだり疑惑。

 18日、その告発文書を調査する第三者委員会の初会合が開かれました。

第三者委員会
「この6人で誠心誠意、調査を尽くして参りたい」

 内部告発が行われてからすでに6カ月です。その間、7月には告発をした元西播磨県民局長。

 4月には告発文書で業務を理由に療養中だと言及されていた職員が亡くなっています。

第三者委員会
「この責務の重大さを身の引き締まる思いで受け止めている。調査期間が来年3月までと限られているので、その間、できるだけ迅速かつ広範囲に可能な限りの資料をいただいて調査を尽くしていきたい」

 渦中の人である斎藤元彦兵庫県知事は心苦しい気持ちだと話しました。

兵庫県 斎藤元彦知事
「やはり今の状況の厳しさのなかで、自分自身のなかで、私も人間ですから、大きなご批判をいただいているなかで、私も心のなかで、今の状況を招いていますので、そういったなかで県民の皆様に対して心苦しい気持ちとか、そういったものがあります」

 少なくとも、この半年間に起きた事態は避けられていたのかもしれません。

■なぜきょうまで始まらなかった? 第三者委員会が初会合

 第三者委員会による調査。実は元西播磨県民局長の告発があった直後の3月時点で、県庁内で検討されていたといいます。

百条委員会 奥谷謙一委員長
「3月24日の時点で人事課の方はですね、第三者委員会、第三者機関で調査をするということで案を作成しておりまして」

 ところが、斎藤知事は設置を拒否したといいます。

兵庫県 片山安孝前副知事
「彼(小橋総務部長)が(3月)27日でしたから、すぐ直後ぐらいでしたかね。知事に言ったけれども、知事は『第三者機関ということは時間がかかるよね』という話で、否定されたと報告を受けました」

 当の斎藤知事は…。

兵庫県 斎藤元彦知事
「第三者委員会というものが考え方としてあるということは聞いているかもしれないですけど、設置をした方がいいとか、そういう進言を受けたということは記憶していない」

 その後、知事が主導する人事課の調査で告発者の元局長は停職3カ月の懲戒処分にされました。

兵庫県 斎藤元彦知事
「人事当局が弁護士の意見も聞きながら内部調査を客観的にやったということで昨日、発表して、それに基づいて懲戒処分等をした形になっています」

 ただ、その客観性を疑う声が議会から上がり、知事もようやく第三者委員会の設置を受け入れました。

 もし、すぐに第三者委員会が設置されていれば今とは違う事態になっていたのでしょうか。

 今月19日は議会の全議員、全会派が知事に対する不信任決案を共同で提出する方針です。

兵庫県 斎藤元彦知事
「今の県政の状況について、結果として、このようになっているということについては県民の皆様、すべての皆様に改めて申し訳ないというふうに思っています」

 19日に出される不信任決議案の原案を入手しました。

不信任決議案の原案から
「告発文書への初動やその後において、対応が不適切、不十分であったことにより、県政に長期にわたる深刻な停滞と混乱をもたらしたことに対する政治的責任は免れない」

兵庫県 斎藤元彦知事
「(Q.責任を感じているのに、責任の取り方について続投するという責任しか果たされていない。それ以外の責任を取るという考えは?)やはり、これまで改革を知事に就任してから3年間やって来ました。やはり、これまでの改革の歩みをしっかりと進めていくということが、3年前に負託を受けた私としての責任の果たし方というふうに考えています」

 不信任決議が可決すれば知事の選択肢は議会の解散か、失職かです。

兵庫県 斎藤元彦知事
「(Q.昨年、改選したばかりの県議会を解散した場合、約16億円もの発生しない費用が追加で出てくる。知事の判断には財政の負担も考慮に入るか?)不信任決議案は知事から出すのではなくて、議会側からの提出判断がされるもんなんですね。議会側が大きなご判断のなかで不信任決議案をどうするかという対応ですから、そこは議会側のご判断だと思います」

 複数の県議が指摘するのは県議選と知事選を同時に行う「ダブル選挙」の可能性。ある県議は…。

兵庫県議
「自分と議会のどちらが正しいか一気に民意を問えるし、議会に辞めさせられたというかっこ悪さを払拭できる」

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