事故4日後の記者会見で土下座して謝罪した、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長=北海道斜里町で2022年4月27日、猪飼健史撮影

 北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部は18日、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(61)を業務上過失致死と業務上過失往来危険の容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。桂田容疑者は事故4日後の2022年4月27日に記者会見を開き、土下座して謝罪していた。当時の主な発言は次の通り。

 ――出航を決めたのは

 ◆最終的に判断は全て私。

 ――どういった場合に欠航するのか

 ◆高さ1メートル以上の波と風速8メートル以上の風、視界が300メートル以下など。

 ――なぜ出航をやめなかったのか

 ◆(出発地点の)ウトロ漁港は平穏な波だった。風もなかった。ある程度、出航できると当時は思っていた。

 ――午後に必ず荒れるということで漁船は出航をやめた。同業他社も出航していないが

事故4日後の記者会見で事故の経緯を説明していた知床遊覧船の桂田精一社長=北海道斜里町で2022年4月27日、猪飼健史撮影

 ◆(同業者は)シーズンの始まりが多少ずれているためで、そもそも予定がなかった。

 ――同業他社から出航を止められたが

 ◆午後に天気が悪くなる場合、船長判断で引き返す「条件付き運航」を長年やっている。

 ――波浪注意報が出ていることを把握していたか

 ◆知っていた。

 ――当時の判断をどのように考えるか

 ◆今となれば、判断的に間違えていたと感じている。

 ――事故当日、事務所にいなかったのか

 ◆その時はいなかった。病院にいた。

 ――同業他社の船がコースにいない中での出航を危険と思わなかったのか。(同業者がいたら)救助できたかもしれないが

 ◆その時は、思わなかった

 ――自身の安全管理がずさんだったという認識は

 ◆結果的にそういう形だと思う。シーズン初めだったのでチェック漏れの所が多かった。

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