愛知県豊橋市の交差点で、事故が相次いでいる。非常に見通しの良い普通の交差点というが、なぜ事故が相次いでいるのか。
■防犯カメラが捉えた事故の瞬間
豊橋市の交差点 この記事の写真JR豊橋駅から車で20分ほどの住宅地の中にある市道の交差点。ブレーキの痕や散乱したガラス片が見られ、交差点には事故の爪痕が残されていた。
防犯カメラが捉えた事故の瞬間一見、何の変哲もない普通の交差点で相次ぐ事故。その瞬間を防犯カメラが捉えていた。
衝突信号が黄色にもかかわらず、スピードを落とさず直進してきた黄色い車が、右折しようと交差点に進入した青い車と衝突。ぶつかった衝撃で、黄色い車はガードレールにぶつかり停止した。
歩道には自転車に乗って信号待ちをしている女性がいた。ガードレールがなければ、女性を巻き込み、あわや大惨事になるところだった。
別の角度のカメラからも、スピードに乗った直進車が画面右側から現れ、右折車と衝突する瞬間が捉えられていた。
近所の人「けがある?」 近所の人の反応
事故の音を聞きつけた付近の住民などが駆け寄り、運転者の安否を確認。その後も三角コーンや誘導用の棒を持ってくる人や、さらに駆け付けた警察とともに車を移動させる人など、慣れた様子で交通整理をしていく。
近所の人「またですか?多いですね」
■なぜ交差点で事故が多発するのか?
3週間前にも発生した別の事故この交差点での事故は一度や二度ではない。3週間前にも事故が発生していた。
画面左の水色の車が青信号で交差点に進入。画面の奥から、赤信号にもかかわらず、赤い車がスピードを落とすことなく交差点に進入し、衝突した。
水色の車はぶつかった衝撃で浮き上がり、歩道に押し込まれ、電信柱に激突。赤い車のフロント部分は大破し、ガードレールにぶつかり停止した。
衝突後、赤い車の助手席から降りてきた男性が、ぶつかった車に駆け寄り、安否を確認した。
近所の人「救急車呼んだ?」
しばらくすると、付近の住民たちも続々と集まり、声を掛け合いながら事故の対応にあたる。赤い車を運転していた女性ドライバーは車から出ると、ショックを受けているのか両手で顔を覆っていた。
「防犯カメラの角度を調整」 交差点に面した家の住人「この3年間で7〜8件起きた。防犯カメラの角度を変えて撮るようになったくらいなんで」
事故が起きる度に警察から事情を聴かれるため、家の防犯カメラを交差点も映るように角度を調整したという。
近所の人「今に大きな人身事故になる。亡くなる人が出てくるようなこともあるんじゃないですかね。何とかならないのかなと…」 なぜ?
どちらの事故も幸い死者は出ていないが、いつ死亡事故に繋がってもおかしくはない。一体なぜ、この交差点で事故が多発しているのか。
実際に、事故を起こした赤い車と同じ進行方向に走ってみた。続いて、緑色の車と同じ進行方向に走ってみる。
実はこの交差点、どの方向から進入しても、ある共通点があることにお気付きだろうか。運転のプロであるタクシードライバーは「通常よりもやっぱり右端にあって見にくい」と話す。
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■見通しが良い直線道路で発生する事故■見通しが良い直線道路で発生する事故
専門家に聞く一体、何が見えにくいのか。専門家に映像を見てもらった。
交通事故鑑定人 中島博史氏「信号機が見て分かるように、向かって右側に立っています。比較的、これ珍しい構造」 対向車線に立つ信号機
一般的な交差点は、走行車線上に信号機が設置されているが、この交差点では、走行車線上の信号機が反対側を向き、進行方向用の信号機は右側に設置されている。
実は、この交差点は4方向すべての信号機が対向車線上にある。
中島氏「信号機が右側に配置された時には、さらに右側に赤信号がいってしまいます。信号機の見づらさというのは増してしまっていると思います」
信号機が対向車線上にあるため、赤信号は運転席から最も離れた右側にある。
中島氏「非常に見通しが良すぎる。道路が直線であるということだと思います。見通しが良すぎるために、先の方を見ようとしてしまって、その部分の視線が固定されてしまっているので、その周りはぼんやりとしか見えていません。右側にずれている信号機というのを、見落とす可能性が高い」 見通しが非常に良い
見通しの良い直線道路のため、ドライバーは交差点よりも遠くを集中して見てしまい、右側の信号機を見落としてしまう可能性があるという。
この事故でも、明らかに信号は赤だが、見落としたのか、赤い車はブレーキを踏む様子もなく進入しているように見える。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年9月16日放送分より)
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