「ダブルケア」を知っていますか。
高齢化や晩産・晩婚化という流れが重なり、子育てと介護を同時に担う人が30~40代の働く世代を中心に増えています。
ダブルケアラーは心身ともに疲弊する重い負担と向き合うことになります。時間的な余裕を失って離職や孤立、貧困に直面する人もいますが、公的な支援が乏しい状況です。
ダブルケアは社会の認知度が低いため、担い手への理解や支援が広がっていないという課題があります。そもそも自分が当事者になっていることに気づいていない人も少なくないといいます。
近い将来、誰の身にも起きるかもしれない問題について、どうしたら「じぶんごと」として考えてもらえるだろうか――。
取材班はダブルケアを経験した3人の著名人にインタビューを試み、ありのままの日常生活や当事者だからこそ見える課題を発信してもらうことにしました。
取材に応じてくれたのは、タレントの松嶋尚美(なほみ)さん▽首相補佐官の矢田稚子(わかこ)さん▽タレントのU.K.さん――です。
3人の告白をつづる全3回の連載「わたしとダブルケア」は17~19日の午前7時、毎日新聞デジタルで配信します。【ダブルケア取材班】
ダブルケアとは
子育てと介護が重なる状況を指す。公式な定義はなく、研究者の間では広い意味として、家庭内で2人以上の介護などを抱えている状態にも使われる。この実態と課題を調査・研究している横浜国立大の相馬直子教授と英ブリストル大の山下順子上級講師が2012年に提唱した和製英語。毎日新聞が国の就業構造基本調査を基に独自集計した結果、ダブルケアに直面する人は17年時点で全国に少なくとも推計29万3700人いることが明らかになった。30~40代の働く世代が9割を占め、女性に集中している。高齢化や晩婚・晩産化が背景にあるとされている。
体験談、ご意見をお寄せください
毎日新聞社会部ダブルケア取材班のメール(doublecare@mainichi.co.jp)まで体験やご意見をお寄せください。
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