天皇、皇后両陛下主催の春の園遊会が23日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれ、各界の功労者ら約1400人が出席した。時折、小雨が降る中、両陛下や皇族方が、招待者と歓談された。今春に社会人になった両陛下の長女愛子さまも初めて加わり、出席者とにこやかに言葉を交わした。
天皇陛下は皇后雅子さまとともに能登半島地震の見舞いで石川県を2度訪ねており、善田善彦県議会議長に「復興が順調に進みますことを心から願っております」と声をかけた。雅子さまは「能登の皆さんの生活が少しずつ落ち着いていかれれば」と気遣っていた。
愛猫の絵を多く手がける現代美術家の横尾忠則さんには、雅子さまが赤坂御用地内で保護した猫の写真を示して飼育の経緯を語るなど、「猫談議」に花が咲いていた。
ピンクやオレンジなど色鮮やかな服装の女性皇族方も、招待者たちと懇談。日本赤十字社に入社したばかりの愛子さまは「おめでとうございます」と多くの人から祝福の声をかけられ、「慣れないことばかりで」とはにかんだ。
俳優の北大路欣也さんによると、愛子さまは「(職場の先輩たちと)一緒にこれから頑張っていきたい」と話したという。日本サッカー協会元会長の川淵三郎さんとは2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会の話題で盛り上がった。乾貴士選手(現清水)の「テクニカルなプレー」が好きだと明かしたという。
春と秋の年2回開かれる園遊会は、新型コロナウイルス禍の中断を挟み、昨春に規模を縮小して再開。感染症対策で昨年は食事の提供を控えたが、今回はサンドイッチや洋菓子などを振る舞った。一方、人が集まるのを避けるため名物のジンギスカンや焼き鳥は出さず、アルコール類の提供もなかった。【山田奈緒】
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