横浜市の男子高校生3人が、痴漢被害の減少を目指したキーホルダー「チカキー」を作り、高校生への普及に取り組んでいる。男女を問わず多くの高校生に使ってもらい、痴漢をさせない雰囲気作りを目指す。量産するための資金としてクラウドファンディング(CF)を9月30日まで実施し、協力を呼びかけている。
3人は公文国際学園高等部(横浜市戸塚区)の3年生、瀬戸真明空(まあく)さん(17)、福田大治郎さん(17)、本久碧(あお)さん(18)。性教育に詳しい岩室紳也医師の講演を学校で聴き、避妊を含め性について知らないことが多いと気づいた。性教育が良好な人間関係につながることも知ったという。性教育のタブーを解決しようとボランティア団体「セクテル」を結成し、主に中高生向けに性教育について発信している。
9日には、神奈川県議で作る「女性活躍推進議員連盟」が県庁で開いた研修会に招かれ、チカキーを含む活動を発表した。
チカキー制作のきっかけは瀬戸さんが通学時に目にした光景だった。エスカレーターの女性の後ろに、密着するように近づいた男性がいた。「痴漢なのかな」と思ったが、注意して逆上されたら、と怖くなり注意できなかったという。痴漢について意識してこなかったと自覚する機会になった。
痴漢を減らす第一歩として考えたのは、社会に「痴漢を減らそう」という意識を広め、男女ともに痴漢について考えてもらうこと。その手段として、安価で扱いやすく、周りの友人もよく通学用かばんに付けているキーホルダーを作ることにした。デザイナーの協力を得て、腕を組んだふりをして隣の人に触る痴漢を描き、「その手はなぁに?」「NO CHIKAN!」の言葉を入れた。
CFは運営サイト「キャンプファイヤー」で行っており、集まった資金の7割は、希望する高校に無償提供するチカキーの制作費に充てる。残りはオンライン販売などに使う。
瀬戸さんはチカキーについて「メッセージを誇張し過ぎず、かわいらしいデザインで、カジュアルに付けられるものができた。少しでも痴漢について考えるキーホルダーになってほしい」と話している。【遠藤和行】
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