東京地裁=東京都千代田区で2020年1月15日午前10時36分、米田堅持撮影

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、志帥会(二階派)の政治資金収支報告書の収支欄に計約3億8000万円を記載しなかったとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた元会計責任者の永井等被告(70)に対し、東京地裁は10日、禁錮2年、執行猶予5年(求刑・禁錮2年)の判決を言い渡した。

 元職を含む国会議員4人と、清和政策研究会(安倍派)、宏池会(旧岸田派)それぞれの会計責任者ら7人の計11人が立件された裏金事件で、判決は初めて。

 起訴状によると、永井被告は2018~22年分の二階派の収支報告書に収入を計約2億6500万円、支出を計約1億1600万円それぞれ少なく記載したとされる。

 検察側は公判で虚偽記載の動機について、パーティー券の売り上げが多額だと明らかになれば、支援者が買い控えをするようになるかもしれないと永井被告が考えたと説明。「政治活動の公明と公正を確保するという政治資金規正法の趣旨を顧みず、派閥の都合のみを考えた。国民を軽視し、身勝手」と指摘していた。

 永井被告は起訴内容を認め、「国民に大変な政治不信を抱かせ、深く反省している」と謝罪した。弁護側は、会計に関する永井被告の知見が乏しかったことが虚偽記載の原因で、私利私欲のためではないと主張していた。【飯田憲】

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