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 今週も暑い日が続きます。今年は統計開始以来、最も暑い夏となりましたが、この猛暑は新米にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?

■今年の「コメ不足」去年の気象状況が一因に

今年のコメ不足に、去年の気象が関係 この記事の写真

 そもそも今年のコメ不足は、去年の気象状況が原因の一つであると、専門家も指摘しています。

 米流通評論家の常本泰志さんによりますと、「猛暑で業務用や加工品用の粒が小さな“安価なコメ”の収穫量が減ってしまった。そうした“安価なコメ”を使っている業者は粒が大きい“主食用のコメ”で補う必要があり、その影響がスーパーなどにも波及して、品不足や価格高騰につながってしまった」とのことです。

 今年も、去年と並ぶ最も暑い夏でしたが、新米は大丈夫なのでしょうか。

■コメどころ新潟 収穫は順調

新米は大丈夫?

 そこで日本有数のコメどころ、新潟県のJA魚沼に聞きました。

 JA魚沼によりますと、「去年は収穫量が少なくて質も悪かった。今年は生育が順調で、早めに収穫した品種も高品質」だと言います。

 では、去年と今年の違いは、どこにあるのでしょうか。

 それは降水量です。

土は干からびてひび割れている(去年8月)

 去年8月の新潟県南魚沼市の田んぼです。稲の下の土は干からびてひび割れています。

田んぼに水を引くための用水路(去年8月)

 田んぼに水を引くための用水路も、良く見ないと分からないほどしか水が流れていません。

 去年の新潟県は深刻な水不足で、8月にしっかりと雨が降ったのは1日だけでした。雨が降らないと稲は育たないため、気温以上に降水量が収穫量を左右するのです。

 今年の新潟県は適度に雨も降り、降水量も平年並みとなりました。

 そのため、JA魚沼管内でも、今年の新米の生育は順調です。今週末にコシヒカリの収穫のピークを迎え、収穫は順調に進んでいるそうです。

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■コメ不足 今後はどうなる?

■コメ不足 今後はどうなる?

降水量 平年並みでどうなる?

 生育が順調なのは、新潟県だけではありません。

 全国的に見ても今年の夏の降水量は平年並みか平年より多く、農林水産省が今年の気象データから予測した新米の状況では、「やや不良」となっていた都道府県の数が去年と比べて大きく減っています。

 常本さんは「主食用の米を作る量も増えているので、流通量も十分足りるだろう」と予測しています。

■コメの価格 11月上旬に落ち着く?

2024年の新米価格は?

 では、新米の価格はどうなっていくのでしょうか?

 現在は品不足で、5キロで3000円以上と例年よりもだいぶ高くなっています。

 それが、スーパーやホームセンターにも新米が出回り、安定供給されるようになれば、5キロで2200円〜2800円になるとの予想です。時期は11月上旬ごろではないかということです。

 5キロで2200円〜2800円になれば、茶碗一杯分で40円ほどになるそうです。

(スーパーJチャンネル「なるほど!ハテナ」2024年9月9日放送)

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