秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さまの成人にあたり、悠仁さまが過ごされた幼稚園、小学校、中学校を運営するお茶の水女子大学が、理事・副学長の坂元章・付属学校部長名で毎日新聞に祝福のコメントを寄せた。
悠仁さまは2010年4月にお茶の水女子大付属幼稚園に入園。皇族の子どもの入園が多い学習院幼稚園は2年保育なのに対し、同付属幼稚園は3年保育で、宮内庁によると、秋篠宮ご夫妻は3年保育の必要性を感じていたという。13年4月に付属小へ入学。戦後の皇族として初めて学習院初等科以外への進学だった。その後、付属中で学び、お茶の水女子大付属の学校で計12年間を過ごした。
コメントの全文は次の通り。
◇
秋篠宮悠仁親王殿下のご成人を心よりお祝い申し上げます。
このたび、親王殿下が成人の日を迎えられましたこと、お茶の水女子大学並びに付属学校園一同より、厚くお慶(よろこ)び申し上げます。ご家族の皆様におかれましても、さぞお喜びになられていることと存じます。
親王殿下は、2010年4月に本学付属幼稚園に入園され、2013年4月には小学校へご進学、さらに2019年4月には中学校にご進学、2022年3月にご卒業されました。私ども一同は12年間にわたり親王殿下のご成長をお見守りさせていただきました。親王殿下は、この学校園生活の中で、教科における学習や自主研究、友達や教員との交流、さらには運動会や体育大会、生徒祭、宿泊行事、遠足や校外学習などの行事、その他の日常的な活動において、さまざまな体験をされ、学びを深めてこられました。
幼稚園では、園庭にいる虫を探されるなど、身近な自然に興味を持っておられました。疑問があると、図鑑で調べるなどして解明しようとされるお姿がございました。小学校中学年の頃から昆虫に関する豊富な知識をお持ちになり、友達からの質問に見事に答えられる、クラスの昆虫博士として大活躍でした。その後も、図形を描く課題では虫の絵を選ばれたり、植物の栽培に関する学習に高い意識を持って取り組まれたりするなど、ご幼少の頃からの自然や生物に対する強いご関心は一貫しておられました。
理科実験では、正確なデータを得るために試行錯誤を繰り返しながらそれに粘り強く取り組まれるなど、科学に対する真摯(しんし)な姿勢を感じることもたびたびでございました。中学校2年生の研究室訪問では、友達とともに本学の理学部を訪問され、専門的な研究内容について熱心にお話を聞いていらっしゃいました。訪問後には友達とご一緒に、学んだことをポスターにまとめ、お世話になった大学の先生方の前で、よく整理された分かりやすい発表をなさいました。
他にもさまざまな学習をされました。自分で課題を設定し探求していく、小学校での自主学習の時間では、東京の市町村がどのように変化してきたのかについて継続的に調査されました。中学校3年生の校外学習では、心身の障害に関する社会問題の解決に取り組む方々のお話を聞かれ、その後の討論などを通して、社会問題の奥深さについて具(つぶさ)にお考えになる機会を持たれました。また、伝統工芸の製作を通じて、伝統文化や技術の高さについて体験されました。これらの学習をはじめ、本学付属学校園での12年間の学びは、今後においてかけがけのない糧となるものと信じております。
日ごろの生活やご活動においては常に友達とご一緒であり、互いに助け合ったり、助言し合ったり、協力し合ったりしながら、充実した時間を過ごしておられました。小学校では友達といつも楽しそうに運動や遊びをされており、成長されるに従い、運動量も増え一緒に遊ぶ仲間も多くなっていきました。また、高学年のときには低学年の子のお世話をされ、誠に優しく接しておられることが印象的でした。ご自身のお考えをお持ちになりながら周囲の意見と調整して目的の達成を図ろうとされているご様子を拝見し、ご成長ぶりを感じることもたびたびでございました。
小学校と中学校の宿泊学習では、普段の学校とは異なる自然や学習に触れ、生き生きと活動される姿が印象的でございました。ご家庭から離れ友達と協力しながら生活する機会となりましたが、ご自身の身の回りのことをしっかりとされることに加えて、活動の流れを考えながら手際よく準備をされたり、教員や友達の手伝いを率先してなさったりされるとともに、集団生活におけるマナーをとても大事にされていると感じられました。また、日ごろの給食や宿泊行事でお食事を楽しくおいしそうに召し上がっておられるお姿を見て、体の素地を作る時期に関わらせていただいた者としては、誠に安心し、また頼もしく感じました。
私ども一同は、12年間にわたって親王殿下の成長を見守らせていただき、親王殿下は私どもに多くの思い出を残してくださりました。本学での12年間を含め、これまでご経験されたり学ばれたりしたことが今後において親王殿下の大きな力となることと信じております。
このたびご成人を迎えられ、本当におめでとうございます。私どもといたしましても、誠にうれしく感慨深いものでございます。改めて深い祝福と感謝の気持ちを申し上げます。どうか、これまで親王殿下を育んでこられたご家族に感謝されますとともに、今後もご健康であられ、ますますご活躍され、輝かしく幸せな日々を過ごされますことを心よりお祈り申し上げます。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。