「悠仁様が東大の推薦入試を悪用し、将来の天皇として『特別扱い』で入学されることは、象徴天皇制を根底から揺るがすこととなるため反対します」
【映像】「悠仁様の推薦東大進学に反対」サイト署名の画面(イラスト図)
6日の誕生日で18歳となり、成年を迎えられる秋篠宮ご夫妻の長男・悠仁さま。現在、筑波大学附属高校の3年生だが、物議を醸しているのが、悠仁さまの進路についての反対署名活動。東大推薦入学を目指しているのではないかという憶測が広がり、それに反対する署名が1万2000筆を超えた。署名ページは「ガイドラインに違反したため削除されたか、発信者が削除した可能性がある」として、現在は見ることができない。
憶測や議論が先行する中、悠仁さまご自身は進路を明言されていない。秋篠宮さまは去年11月の会見で、悠仁さまが日ごろトンボの研究に打ち込んでいることに触れ、進路については本人の意向が大事だと話された。
皇室の進路、進学はどのような形がふさわしいのか。そして、自由な選択は許されるのだろうか。『ABEMA Prime』で議論した。
■ひろゆき「学習院以外は一般入試を受けるべき」、専門家「それで1人の枠を勝ち取るほうが好ましくない」
皇室解説者の山下晋司氏は「悠仁親王殿下は特別なお立場の方」だという前提の下、「不公平という声もあるが、東大に行ったからといって、生涯賃金が高くなるという話ではない。基本的人権も非常に制約されたお立場で、一般の方と競争する社会にこれから行かれるわけでもない。一般枠とは別の特別入学を認めても問題ない。逆に、一般入試で1人の枠を争って勝ち取るというのは好ましくないのでは」との見方を示す。
麗澤大教授・憲法学者の八木秀次氏は「この署名活動は、一連の秋篠宮家バッシングの意だと思う。署名活動の形を借りた誹謗中傷だ」と指摘。「皇族は法的には一般国民と異なり、参政権や財産権などさまざまな自由・権利が制約を受ける。他方、内心の自由や名誉権、裁判を受ける権利などは保障されると考えられ、大学進学は教育を受ける権利だ。これは憲法や法律で制約されていないので、東大でもどこでもお好きな所に進学されるのがいいと思う。ただし、憲法第1条にある“天皇は国民統合の象徴”だという趣旨からすると、一般入試でも推薦入試でも、他の受験生を蹴落として合格するという競争は敵を作ることになる。それは望ましくないだろう」とした。
皇位継承順位は、1位が秋篠宮さま、2位が悠仁さま。ゆくゆくは天皇になられる立場にある中で、学歴はどういう意味を持つのか。山下氏は「学歴は基本的には関係ない。例えば、大学で単位を取って卒業しなくてもいいし、専門課程だけで勉強・研究をさせてもらう方法もあると思う。秋篠宮殿下もそうだが、研究に重きを置かれているのは、論理的に物事を考える力を養うため。“東大卒”という肩書は必要はない。総理大臣や大統領などは数年で変わるが、例えばヨーロッパの王室とは何十年ものお付き合いになり、それがお互いの国の理解に繋がる」と述べた。
悠仁さまは2013年、お茶の水女子大学付属小学校に入学されたが、皇族が学習院初等科以外の小学校に入るのは、現行皇室典範の下では初。お茶の水女子大学付属中学校卒業後は、提携校進学制度で筑波大学附属高校へ進まれている。去年11月には6歳頃から約10年間の、赤坂御用地内のトンボ類調査をまとめた論文を発表。8月25日には、国際昆虫学会議に研究者として出席された。
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏はそうした年譜から、「なんらかの思惑があって学習院コースではないところに進んでいる、と推測されるのは当然だと思う。そもそも学歴自体はどうでもよくて、国民にとってどう思われるかが大事ではないか。象徴天皇制はあったほうがいいと、なるべく多くの国民が思っていないとなくなってしまう中で、“天皇は権力を持っていない”ということがすごく大事だと思う。特例を自分の望みどおりに作れたら、それは権力だ。“そういう方が過去にいたでしょう”と言われ続けてしまうのは、悠仁親王お一人の問題ではなく、今後の天皇制を議論する上で良くないと思う」との考えを述べる。
その上で、ひろゆき氏は「学習院は皇族のために作られた学校だから、試験がなくても入れるというのはいい。しかしそれ以外の所、東大でも日大でも入りたいなら一般人と同じように入試を受けるべきだ」とした。
これに山下氏は「愛子内親王殿下も高校生の時に成績が優秀だと、東大を狙っていると週刊誌に書かれた。今の学歴社会において、やはり東大は1つの“ネタ”になる部分があるのだと思う」「一般入試は受けても構わないし、落ちることもある。佳子内親王殿下は入試で他大学に落ちて学習院に入られたものの、中退してICUに行かれた」とコメント。
八木氏は「ひろゆきさんがおっしゃることは一般論として、憲法の理解としても真っ当だと思う」と理解を示しつつ、「他を圧倒するような論文を書かれて、誰もが納得するような形で東大に推薦入学されるということであれば、多くの人が納得すると思う。ただ、皇族に学歴はあるに越したことはないが必須でもないので、ご自身の特別なお立場に自信を持たれてよいと思う」と述べた。
■これからの皇室のあり方、国民との関係は
これからの皇室のあり方について、山下氏は「国民との関係は時代とともに変わっていくもので、非常に難しい。宮内庁はInstagramを始め、来年にはホームページも大幅改修して広報に力を入れようとしている。これから20年、30年後に社会の中心になるような人たちにも関心を持ってもらう必要がある中で、皇室の“エンタメ化”はやっていかざるを得ないだろう。皇室外交や国際親善は、数字に表れないが国にとって非常にメリットがある。そうしたことも含めてしっかり説明していくということを、地道に続けていく必要がある」との見方を示す。
八木氏は「ここのところ皇族に対する誹謗中傷があり、国会議員が質問主意書を出して、内閣が答弁書を決定している。それによると、民事裁判を提起する権利はある。元々、刑法には名誉毀損や侮辱罪、これは親告罪だが、天皇や皇嗣については内閣総理大臣が代わって告訴すると。ということは、他の皇族は自分で告訴できるという趣旨でもある。しかし現実には、国民統合の象徴という点を踏まえて、告訴しないし、民事裁判の提訴もしないだろう。それをいいことに好き勝手を言うのは慎むべきだ」と、国民側に投げかけた。(『ABEMA Prime』より)
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