北海道議会最大会派自民党・道民会議のエネルギー政策調査会は4日、寿都町の片岡春雄町長と神恵内村の高橋昌幸村長から、高レベル放射性廃棄物処分の文献調査に対する意見を聴取した。会長の村田憲俊道議(後志地域選挙区)によると、2町村長は概要調査に前向きな考えを出席者に伝え、理解を求めたという。鈴木直道知事は概要調査移行に「現時点で反対」しており、今後、議論が加速しそうだ。【石川勝義】
核のごみの最終処分地選定を巡っては、寿都町と神恵内村の文献調査が終了し、原子力発電環境整備機構(NUMO)が近く報告書をまとめる。報告書が公開され、NUMOによる説明会が行われた後、経済産業相が次の段階の概要調査に進むかについて2町村長と知事に意見照会する。一人でも反対があれば、概要調査に進まない制度になっている。
鈴木知事は、最終処分地を道内に受け入れない意思を表明した道核抜き条例の存在を理由に、概要調査移行に反対している。自民内に知事の姿勢を疑問視する声もあるが、会派としての対応は定まっていない。
4日の意見聴取の冒頭、村田道議は最終処分地選定の議論を道議会で深める必要があると訴えた。聴取は非公開で行われ、片岡町長と高橋村長は報道陣の取材に応じなかった。
2町村は今後、住民投票などの結果を踏まえた上で意見をまとめる方針だ。
一方、複数の関係者によると、首長2人は概要調査に進みたい意向を持っているといい、鈴木知事の「現時点で反対」と考えが異なっている。今回の意見聴取は概要調査に向けた機運醸成の側面があるといい、受け入れ可否の判断は概要調査後でも遅くないという考えに理解を求めたいという。
村田道議は報道陣の取材に「知事の反対は意味が分からない。調査段階で使用済み燃料が来るわけではない」と指摘。自民側の対応については「議論がまだなく、今後きちんとする必要がある」と述べた。
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